馬場さんの名字の由来。「ばば」「ばんば」「うまば」あなたの地域では何と読む？

名字365　姓氏研究家の森岡 浩さんが日本人の名字を毎日紹介します。あなたの意外なルーツが分かるかも？知れば知るほど面白い、名字の世界をお届けします。連載一覧はこちら＞＞

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馬場（ばば）

馬の調練や競技をしたところを広く「馬場」といいました。都の内裏（だいり）の中にも馬場があってこれを「内馬場」といいます。

というのも、武士は馬に乗って戦います。馬は誰でも最初からすぐ乗れるというわけではなく、きちんと練習をする必要があったのです。

また、馬の乗りこなしの優劣は武士にとって大きな評価の対象でもあり、武士は乗馬の練習を欠かすことはできませんでした。


そのため各地に馬場があり、それに因む地名がありました。そしてそこに住んだ人達が「馬場」を名字としたのです。

歴史上最も有名な馬場氏は、武田氏重臣の馬場氏でしょう。

清和源氏の子孫と伝えていますが詳細は不明で、武田信玄に仕えた馬場美濃守信房（信春とも）が有名です。江戸時代には木曽義仲の子孫という高禄旗本の馬場家もありました。

ところで、「馬場」は「ばば」と読むとは限りません。滋賀県と京都府では「ばば」と「ばんば」に読み方が分かれているのです。さらに、岐阜県や兵庫県では「うまば」とも読みます。

とはいえ、全国の96％ほどは「ばば」と読み、ルーツはいずれも同じです。

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森岡浩／Hiroshi Morioka
姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。

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