沖縄を代表する名字の1つ「新垣」。読み方は「あらかき・あらがき」だけではありません

名字365　姓氏研究家の森岡 浩さんが日本人の名字を毎日紹介します。あなたの意外なルーツが分かるかも？知れば知るほど面白い、名字の世界をお届けします。連載一覧はこちら＞＞

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新垣（あらかき・あらがき）

「新垣」と聞くと、多くの人が沖縄の名字だと思います。実際、沖縄の名字は本土とは違って独特の名字が多く、その雰囲気からなんとなく沖縄らしさを感じることができるのです。

とくに「新垣」は俳優や歌手にも多く、沖縄を代表する名字の1つといえます。

さて、沖縄の名字のほとんどは沖縄の地名に由来しています。沖縄はかつて琉球王国という独立した国でしたから、本土のように他県に移り住んだりすることがなかったため、そのルーツも県内にあるのです。


沖縄県では糸満市と中城村に「新垣」という地名があり、ここをルーツとして「新垣」という名字が生まれました。なお読み方には「あらかき」と「あらがき」があり、ともに多い読み方です。

また、「新垣」の読み方は「あらかき・あらがき」だけではありません。

糸満市や南城市では「しんがき」と読む「新垣」も多いのです。その結果、「あらかき・あらがき」と読む「新垣」が沖縄県の名字ランキングで6位である一方、「しんがき」と読む「新垣」も51位に入っています。

さらに、本土でも各地に「新垣」という名字が点在しており、これらは「しんがき」と読むのが主流です。関東では「にいがき」とも読みます。

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森岡浩／Hiroshi Morioka
姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。

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