地形由来の名字「小池」。北関東に集中し、長野県のある町では人口の6％弱を占める

名字365　姓氏研究家の森岡 浩さんが日本人の名字を毎日紹介します。あなたの意外なルーツが分かるかも？知れば知るほど面白い、名字の世界をお届けします。連載一覧はこちら＞＞

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小池（こいけ）

「小池」は、文字通り「小さな池」に因む地形由来の名字です。自然にできた池もたくさんありますし、水田耕作のための灌漑用の池も各地に作られました。

そして、こうした池に因む「小池」という地名もたくさんあり、そこに住んだ地名由来の「小池」も多数あります。

歴史上最も有名な小池氏は信濃国筑摩郡小池村（現在の長野県松本市）をルーツとするもので、桓武平氏の一族といいます。初め武田氏に従い、のち徳川氏に仕えました。


現在でも甲信越と北関東に集中しており、その中でも長野県と山梨県の県境付近にとくに広がっています。

長野県側では、山梨県との県境にある諏訪郡富士見町で町内3位の名字ながら、人口の6％弱が「小池」さんです。

一方、隣の山梨県では北杜市高根町に「小池」地名があり、武田氏家臣の小池氏はこの地名がルーツといいます。

この他、群馬県東吾妻町周辺や、静岡県浜松市にも集中しており、西日本では愛媛県松山市にも多くなっています。

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森岡浩／Hiroshi Morioka
姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。

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