名字365 姓氏研究家の森岡 浩さんが日本人の名字を毎日紹介します。あなたの意外なルーツが分かるかも?知れば知るほど面白い、名字の世界をお届けします。
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難読名字:日馬(くさま)
新潟県を中心に、「日馬」という難読名字があります。
この名字を見て年配の方を中心に「これは読める」と思った人も多いと思います。しかし、「はるま」と読まなかったでしょうか。
というのも、大相撲で2012年~2017年の足掛け6年、31場所横綱をつとめたモンゴル出身の日馬富士関がおり、読み方は「はるまふじ」だったのです。そのため相撲好きの人を中心に、今でも「日馬」を「はるま」と読んでしまう人が多いのです。
この名字は「
日下」という名字と関係があります。
「日下」は古くからある名字で、多くは「くさか」と読みます。ここから、「日下」で「くさか」と読むなら、「日」は「くさ」と読めると考えた人がおり、「日馬」と書いて「くさま」と読むのです。
筆者は、「日馬富士」をつい「くさまふじ」と言ってしまい、「はるまふじ」という読み方がなかかな覚えられませんでした。
新潟県の上越地方には「草間」という名字が集中しています。
昔は分家すると漢字を変えることは珍しくなかったので、分家した「草間」さんの一部が「くさま」に「日馬」という漢字あてて名乗ったのが由来です。
現在は糸魚川市の旧能生町に集中しています。
森岡浩/Hiroshi Morioka姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。
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