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長野・山梨・静岡で多い名字「土屋」さん。各地にいる理由はその由来にあり

2025.07.02

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墨アート製作/越智まみ

名字365 姓氏研究家の森岡 浩さんが日本人の名字を毎日紹介します。あなたの意外なルーツが分かるかも?知れば知るほど面白い、名字の世界をお届けします。連載一覧はこちら>>

土屋(つちや)

「土屋」は、長野県・山梨県・静岡県の3県に多い名字です。

比率でいえば静岡県が一番多く、僅差で長野県が2位、やや離れて山梨県という順になっています。とくに伊豆半島には「土屋」が多く、下田市では人口の1割近くが「土屋」さんです。

一方、四国や九州では少なく、南四国や鳥取県・佐賀県などでは珍しい名字の部類に入ります。


さて「土屋」のルーツは地名です。

土で塗りこめて作った室(むろ、家や部屋)や、地面を掘って作った穴倉のことを「土室」といい、また「土屋」ともいいました。こうした場所が「土屋」という地名になったことから、各地に「土屋」地名があります。

歴史的には、神奈川県平塚市土屋をルーツとする桓武平氏の土屋氏が著名です。

その祖土屋宗遠は源頼朝に仕えて鎌倉幕府の御家人となり、子孫は甲斐の武田氏に仕えました。

武田信虎に仕えた土屋昌遠は、信虎が、息子信玄に甲斐を追放されたのちも最後まで従っていたことでも知られています。

一方、追放した信玄の重臣にも土屋昌次がいました。こちらは清和源氏といい、相模の土屋氏とは別流です。

武田氏滅亡とともに土屋氏も滅亡したのですが、のちに遺児が2代将軍徳川秀忠によって召し出され、一時は大名に列したこともあります。

元禄赤穂事件で赤穂浪士が吉良邸に討ち入った際、隣の屋敷の住人で提灯を掲げて助力したといわれるのが、この子孫にあたる土屋主税です。
森岡浩/Hiroshi Morioka
姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。

墨アート製作 書家・越智まみ(https://esprit-de-mami.com/

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