連載「いのちに想う」6月 共存
ツバメ
文=小林朋道(鳥取環境大学学長・動物行動学者)6月の青空をツバメが舞う。最高速度時速200キロともいわれる飛翔速度でツバメが舞う。ツバメは、番(つがい)で子育てをするが、雌が番の相手の雄を、その体のある部分の状態を目安に選んでいる。
一つ目は、尾羽の長さが等しく、左右対称かどうか。二つ目は、長いかどうか、この二点である。この二点が揃った雄ほど栄養豊かで(つまり餌の捕り方が上手い)、病原体への免疫力が高いことが実験により知られている。そして雌にモテやすいのだ。
日本では「ツバメ」「コシアカツバメ」「イワツバメ」「ショウドウツバメ」「リュウキュウツバメ」の五種が見られ、リュウキュウツバメ以外は、冬は熱帯近くで過ごし、春になると日本にやってきて繁殖する。
巣をつくる場所が人の居住地の中に入り込んでいる程度を順番でいえば、一番はツバメ、二番はコシアカツバメ、三番はイワツバメとリュウキュウツバメということになる。
ショウドウツバメは“入り込んで”いない。人と野生生物との共存について考えさせられる動物だ。
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