名字365 姓氏研究家の森岡 浩さんが日本人の名字を毎日紹介します。あなたの意外なルーツが分かるかも?知れば知るほど面白い、名字の世界をお届けします。
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飛鳥井(あすかい)
「飛鳥井」という珍しい名字があります。これは公家の名字です。
藤原北家で花山院流と言われる一族なので、その祖は藤原道長になります。道長の曾孫の忠教が難波家を興し、その分家が飛鳥井家です。
面白いのは、本家の難波家が南北朝時代に断絶した後、江戸時代初期に飛鳥井家の一族が難波家を再興したため、それ以降は本家-分家関係が逆転しました。今では、飛鳥井家が本家で、難波家が分家という形になっています。
さて、飛鳥井家は蹴鞠と和歌で有名でした。
飛鳥井家の別邸は、京都市営地下鉄今出川駅西方の今出川通りの北側にあり、この付近一帯は上京区飛鳥井町という地名になっています。
町の中心の白峯神宮には、蹴鞠の神様である精大明神が祀られており、毎年4月14日の春季例大祭 淳仁天皇祭、7月7日の精大明神例祭「七夕祭」では、古代装束に身を包んだ人々が蹴鞠をする風景を見学することができます。
飛鳥井家には地方に下った分家がありました。
戦国時代、飛鳥井雅量は戦乱を避けて一条氏とともに土佐に下向しました。子孫は鹿持城(高知県黒潮町)に拠って武士となり、地名をとって鹿持氏と名乗りました。江戸時代に国学者として知られた土佐藩士鹿持雅澄はこの末裔にあたります。
なお、明治維新後は名字を「飛鳥井」に戻しています。
森岡浩/Hiroshi Morioka姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。
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