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何と読むでしょう?難読の読み方がある「台」さん。「だい」ではありませんよ

2025.06.08

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墨アート製作/越智まみ

名字365 姓氏研究家の森岡 浩さんが日本人の名字を毎日紹介します。あなたの意外なルーツが分かるかも?知れば知るほど面白い、名字の世界をお届けします。連載一覧はこちら>>

難読名字:台・臺(うてな)

「台」という名字があります。

文字通り「だい」とも読みますが、他にきわめて難読の読み方があります。それが「うてな」です。ちょっと想像のつかない読み方ですが、実はかつては「うてな」というのは普通の読み方でした。

「うてな」とは古語で、四方を眺めるために土を積み重ねて作った壇のことです。


また、こうした盛り土の上に建てられた建築物のことも「うてな」といい、「台」という漢字をあてました。古代には、漢からの渡来人の子孫と伝える古代豪族の台(うてな)氏がありました。

今でも、菩薩の座る蓮の花の台座や、極楽浄土に往生した者が座るという蓮台のことを「蓮のうてな」ということがあります。

しかし、これ以外で使われることはほぼないため、「台」で「うてな」とは読めなくなってしまいました。

なお、「うてな」と読む場合には旧字体の「臺」を使用することが多いのですが、意味的な違いはありません。

「うてな」と読む名字は東京都と埼玉県に集中しており、この両都県の「台」さんは「うてな」が約4割で、「だい」が6割前後です。

一方、それ以外ではほぼ「だい」と読み、南部藩士の台(だい)家のように、陸奥国稗貫郡台村(現在の岩手県花巻市)に因む地名由来のものもあります。
森岡浩/Hiroshi Morioka
姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。

墨アート製作 書家・越智まみ(https://esprit-de-mami.com/

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