〔特集〕大阪・関西万博で世界が注目! 活気づくOSAKAへ。─世界に誇れる大阪の魅力─ いよいよ「大阪・関西万博」が開幕。世界が注目する大イベントを前に、大型ホテルの建造ラッシュ、美術館の新設や大規模リニューアル、“大阪最後の一等地”うめきたエリアの「グラングリーン大阪」の進展など、大阪の街は大変貌を遂げています。活気づくOSAKAで世界に誇れる文化の魅力を探訪します。
・
特集「活気づくOSAKAへ」の記事一覧はこちら>>>
佐渡 裕さんと訪ねる大阪・関西万博会場

大屋根リングの屋上から会場を見渡す。着用コート/HOMME PLISSÉ ISSEY MIYAKE(イッセイ ミヤケ) スタイリング/大八木美和〈クレッシェンド〉 ヘア&メイク/稲垣直美〈クレッシェンド〉
佐渡少年の人生に影響を与えた1970年の大阪万博
「万博が大好きでね。万博博士なんて呼ばれていたんですよ」
2025年1月中旬。会場をぐるりと囲む大屋根リングの上で、佐渡さんが懐かしそうに呟きました。眼下に並ぶ完成前のパビリオンを見て、思いを馳せるのは1970年開催の大阪万博。佐渡さんは、当時の光景を今でも鮮明に覚えているといいます。
1970年大阪万博にて、当時小学3年生の佐渡さん。
「親に連れられ4回ほど足を運びました。フライトシミュレーターにフジパン・ロボット……。未来都市を歩くような感覚でいくつもの展示を体験し、当時は会場の地図が書けるほど万博に夢中になっていました」
アイルランドパビリオンの前にて。着用コート/ HOMME PLISSÉ ISSEY MIYAKE(イッセイ ミヤケ) スタイリング/大八木美和〈クレッシェンド〉 ヘア&メイク/稲垣直美〈クレッシェンド〉
佐渡少年が心惹かれたのは、目新しい技術やパビリオンだけではありません。
1970年、大阪万博の開催に合わせ、世界中から音楽家が来日。「楽壇の帝王」と呼ばれた人気指揮者・カラヤンもその一人で、5月にベルリンフィルを率い、ベートーヴェンの交響曲第1番~第9番を演奏しました。
そしてその約3か月後、後に佐渡さんの師匠となるバーンスタインは、ニューヨークフィルとともに、マーラーの交響曲第9番を披露します。
誰もが知るベートーヴェンの曲を指揮し、それが大成功を収めた一方で、一般の人にはまだあまり知られていなかった作曲家・マーラーの演奏会も大きな注目を集めた──。
「ライバル関係」と目されていた二人の指揮者の来日公演は対照的であり、熱い「対決」のように、当時の佐渡さんの目には映りました。
万博から2年後、小学5年生のとき、佐渡さんは初めて自分のお金でレコードを買います。選んだのは、バーンスタインが指揮するマーラーの交響曲でした。
「1970年の万博は、世界の多様性と技術の進歩を僕に教えてくれました。同時に、バーンスタインやマーラーをはじめとした偉大な音楽家に興味を持ったきっかけでもあります。僕の人生にとって非常に大きなものであったと、振り返って思います」