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難読名字「紫合」。紫色の雲と松が重なり合う、幻想的な景色が由来

2025.05.13

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墨アート製作/越智まみ

名字365 姓氏研究家の森岡 浩さんが日本人の名字を毎日紹介します。あなたの意外なルーツが分かるかも?知れば知るほど面白い、名字の世界をお届けします。連載一覧はこちら>>

難読名字:紫合(ゆうだ)

「紫合」と書いて「ゆうだ」と読みます。知らない限りは絶対に読めない難読名字です。

ただし、地名がルーツとなっており、「紫合行き」というバス路線もあるため、その地域に住んでいる人には問題なく読めると思います。

この「紫合」という地名があるのは兵庫県猪名川町です。ここには地名の由来が伝わっています。


この付近はもともと「ゆうだ」という地名でした。

そして、近くを流れる猪名川の靄が夕方には紫色の雲となり、西鏡寺の境内にあった松の大木に重なり合って漂っていたことから、この松は「紫雲の松」と呼ばれていたそうてす。

そして、その松が枯れたとき根元に光るものがあり、掘るとそこから薬師如来が出現したといいます。

やがて本来の地名である「ゆうだ」に、「紫色の雲が重なり合う松」に因んで「紫合」という漢字をあてたのだと伝えています。

おそらく、そもそもの地名である「ゆうだ」とは「結(ゆい)の田」という意味でしょう。結とは集落における共同作業のことで、村で管理する田を「ゆうだ」と名付けたと考えらます。

やがて、地名が「ゆうだ」となって「紫合」という漢字があてられ、さらにここに住んだ人が「紫合」を名字にしたことから難読名字となったと思われます。
森岡浩/Hiroshi Morioka
姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。

墨アート製作 書家・越智まみ(https://esprit-de-mami.com/

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