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難読名字「巽」。ヒントは中国の八卦の方位を、日本の十二支に当てはめてみて

2025.05.01

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墨アート製作/越智まみ

名字365 姓氏研究家の森岡 浩さんが日本人の名字を毎日紹介します。あなたの意外なルーツが分かるかも?知れば知るほど面白い、名字の世界をお届けします。連載一覧はこちら>>

難読名字:巽(たつみ)

「巽」という名字は見たことがある人が多いと思います。しかし、「選」「撰」と違って、旁(つくり)の部分だけの「巽」という漢字は日常生活ではほぼ使いません。

この「巽」という名字は「乾」と同じく方位に由来しています。

江戸時代以前、日本では方角を十二支を使ってあらわしていました。


北が「子(ね)」で、ここから右回りに「丑」「寅」と続き、東は「卯(う)」、南は「午(うま)」、西は「酉(とり)」となります。それぞれの方角はさらに3等分して十二支をあてました。

一方、中国の八卦では方位を八等分しました。東西南北の他に、北東を「艮」、南東を「巽」、南西を「坤」、北西を「乾」というのです。

この南東の「巽(そん)」の方角が、日本では「辰(たつ)=東南東」と「巳(み)=南南東」の中間にあたるため、「巽」を「たつみ」と読んだのです。

しかし、「巽」という漢字は通常使わないため、本来の意味である「辰巳」を使うことも多くなっています。さらに「巳」の漢字が変化した「辰己」という名字も珍しくはありません。

全国の名字ランキングでは、本来の「辰巳」、八卦由来の「巽」、漢字の変化した「辰己」という順なのですが、最も「たつみ」さんの多い奈良県では、「辰己」「巽」「辰巳」という順になっています。
森岡浩/Hiroshi Morioka
姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。

墨アート製作 書家・越智まみ(https://esprit-de-mami.com/

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