カルチャー&ホビー

武将・山内一豊は実際は「やまうち」家。ではなぜ「やまのうち」と読まれるのか?

2025.04.29

  • facebook
  • line
  • twitter

墨アート製作/越智まみ

名字365 姓氏研究家の森岡 浩さんが日本人の名字を毎日紹介します。あなたの意外なルーツが分かるかも?知れば知るほど面白い、名字の世界をお届けします。連載一覧はこちら>>

山内(やまうち)

「山内」という名字は「山に囲まれた内側」という地形に由来しています。山の多い日本ではごく普通の風景で、「山内」のルーツは全国いたるところにあるといえます。

ところで、「山内」という名字はほとんどの人が「やまうち」と読むと思います。ところが、土佐藩初代藩主である山内一豊のことは「やまのうち」という人も多いと思います。しかし、山内一豊も本当は「やまうち」なのです。

ではなぜ山内一豊は「やまのうち」と読まれるかというと、「山内一豊の妻」という講談の影響だと思います。


山内一豊がまだ身分が低く貧乏だった頃、立派な馬を買うことができず悩んでいると、妻が鏡の裏からへそくりを出して一豊に渡し馬を買わせました。すると、この馬が主君織田信長の目にとまり、以後出世するきっかけをつかんだという話で、戦前は教科書にも載っている有名な逸話でした。

この物語のタイトルが「やまのうちかずとよのつま」なのです。

ここから、山内一豊は「やまのうち」と言われるようになりましたが、実際には「やまうち」家です。

では「やまのうち」と読む家はないのかというとそういうわけではなく、「山内」の2%近くは「やまのうち」と読みます。また岩手県や青森県では「さんない」とも読みます。
森岡浩/Hiroshi Morioka
姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。

墨アート製作 書家・越智まみ(https://esprit-de-mami.com/

セブンアカデミーで越智まみさんの「オンライン書道」墨アートレッスンが開催中。詳細はこちらから>>
  • facebook
  • line
  • twitter

12星座占い今日のわたし

全体ランキング&仕事、お金、愛情…
今日のあなたの運勢は?

2025 / 12 / 11

他の星座を見る

Keyword

注目キーワード

家庭画報ショッピングサロンのおすすめ
※外部サイト(家庭画報ショッピングサロン)に遷移します。 ※商品の購入には家庭画報ショッピングサロンの会員登録が必要です。

Pick up

注目記事
家庭画報ショッピングサロンのおすすめ
※外部サイト(家庭画報ショッピングサロン)に遷移します。 ※商品の購入には家庭画報ショッピングサロンの会員登録が必要です。
12星座占い今日のわたし

全体ランキング&仕事、お金、愛情…
今日のあなたの運勢は?

2025 / 12 / 11

他の星座を見る