名字365 姓氏研究家の森岡 浩さんが日本人の名字を毎日紹介します。あなたの意外なルーツが分かるかも?知れば知るほど面白い、名字の世界をお届けします。
連載一覧はこちら>>
島田(しまだ)
「島田」は沖縄も含めて全国に多い名字です。県単位でみると、少ないのは岩手県と山形県くらいで、15都道府県で100位以内の名字となっています。その中でも多いのは関東甲信越地域で、とくに富山県では27位というメジャーな名字となっています。
ところで、「しまだ」という名字は「嶋田」や「嶌田」と書くこともあり、和歌山県や福井県では「嶋田」と書く名字もたくさんあります。
この「嶋」や「嶌」は「島」の異体字(別の書き方)で、ルーツや意味には違いはありません。江戸時代のお墓を見ると、同じ一族なのに漢字が違っているということも珍しくはありません。
さて、「島田」は地形由来とも地名由来ともいえます。
「島」というと海に浮かぶ島を想像します。もちろん、そうした島にある田んぼも「島田」ですが、田んぼがあるほどの平地のある大きな島はそんなにたくさんはありません。「島」には他の意味もあるのです。
平地の中にある小高い場所のことを、海に浮かぶ島に見立てて「島」といいました。さらに、大きく蛇行する川の内側の部分も、川の中に浮かぶ島にように見えることから「島」といいました。こういう場所にある田んぼが「島田」なのです。
また、こういった場所は「島田」という地名になっていることも多く、地名由来の「島田」もたくさんあります。
歴史的にも尾張国海部郡島田郷(現在の愛知県あま市七宝町)に因む古代豪族の島田氏など、古くからありました。
森岡浩/Hiroshi Morioka姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。
墨アート製作 書家・越智まみ(
https://esprit-de-mami.com/)
セブンアカデミーで越智まみさんの「オンライン書道」墨アートレッスンが開催中。詳細は
こちらから>>