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歴史の古い名字「菅原」──古墳時代の埴輪と深い縁がありました

2025.04.09

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墨アート製作/越智まみ

名字365 姓氏研究家の森岡 浩さんが日本人の名字を毎日紹介します。あなたの意外なルーツが分かるかも?知れば知るほど面白い、名字の世界をお届けします。連載一覧はこちら>>

菅原(すがわら・すがはら)

「菅原」は歴史の古い名字です。

天神様としても知られる平安時代の公家、菅原道真の名前は聞いたことがあると思います。歴史の教科書では遣唐使を廃止した人としても登場します。菅原家は平安時代を代表する公家の1つで、多くの学者が出ています。

この菅原氏、古い一族には違いないのですが、最初から「菅原」だったわけではありません。古墳時代には土師(はじ)氏という名前で、古墳に埋葬する埴輪などを作っている一族でした。


しかし埴輪は次第に制作されなくなり、土師氏はそれ以外の道に進まざるを得なくなります。そこで、奈良時代に子孫は菅原氏と大江氏に分かれ、平安時代以降はいずれも学問を担当する公家となったのです。

「菅原」氏の由来となったのが大和国添下郡菅原、現在の奈良市菅原町で、そこには菅原寺(喜光寺)というお寺もあります。

現在は東日本に多い名字で、東北と北海道に集中しています。

ところでこの「菅原」ですが、東西で読み方に違いがあるのです。東北や北海道ではほぼ「すがわら」と読み、関東でも8割前後が「すがわら」です。一方西日本では「すがはら」が過半数を占め、関西や中国地方では8割前後が「すがはら」です。また、愛媛県では「かんばら」とも読みます。
森岡浩/Hiroshi Morioka
姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。

墨アート製作 書家・越智まみ(https://esprit-de-mami.com/

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