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「今田」という名字をどう読むか、東北と西日本で意見が分かれるようです

2025.04.04

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墨アート製作/越智まみ

名字365 姓氏研究家の森岡 浩さんが日本人の名字を毎日紹介します。あなたの意外なルーツが分かるかも?知れば知るほど面白い、名字の世界をお届けします。連載一覧はこちら>>

今田(いまだ)

「今田」のように、「今村」「今川」など「今(いま)」のつく名字はたくさんあります。この「今」は「新しくできた」という意味です。つまり、「今田」とは「新しくできた田んぼ」に因んでいます。

江戸時代は米の収穫量がそのまま経済力となるため、各地で新しい水田の開発がすすめられ、新田が切り開かれました。こうしてできた新しい新田のことを「今田」ともいい、それらを耕していた人が名乗ったのが「今田」です。

従って「今田」は各地にあり、「今田」さんも全国に広がっています。なかでもとくに多いのが広島県と山形県です。


ところが、山形県に集中している「今田」は「いまだ」ではなく「こんた」と読みます。

実は、東北地方には「今(こん)」「今野(こんの)」など、「今」を「こん」と読む名字が多いのです。この「こん」は東北地方に広がっていた「こん」一族の末裔とされます。

平安時代、東北には蝦夷(えみし)と呼ばれる人達が広がっており、彼らの中に「こん」という名字を名乗った有力一族がいました。この「こん」には後に「紺」「近」「昆」「金」などいろいろな漢字をあて、なかでも「今」を使うことが最も多かったのです。

そのため、東北では名字に使われる「今」という漢字は「こん」と読むことが多く、「今田」も「こんた」と読むのが主流です。

現在、山形県では「今田」の99%以上が「こんた」と読み、「いまだ」は少数派。隣の秋田県も9割以上、青森県でも8割が「こんた・こんだ」と読みます。

一方、西日本ではほぼ「いまだ」で、全国を合計すると「今田」さんの6分の1ほどが「こんた」さんです。
森岡浩/Hiroshi Morioka
姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。

墨アート製作 書家・越智まみ(https://esprit-de-mami.com/

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