創業 元禄15年(1702年)
笹巻(ささまき)けぬきすし 総本店 (神田)
たねは鯛、おぼろ、玉子、海苔、光りものと白身魚。イートイン7個2239円。5個入り折詰1378円~。写真/古市和義
矢が的を射た絵の暖簾が目印。
塩と酸がきいた後引く味たねにする魚の小骨を毛抜きで除いたことから名がついたという「けぬきすし」。毎日笹を洗うところから始まり、たね一品一品を手作業でこつこつ仕込む伝統の味が、神田小川町で受け継がれています。冷蔵庫のない時代をしのばせる酸っぱくて塩がばちっときいたすしは、清々しい笹の香りと相まって、くせになる美味です。
住所:東京都千代田区神田小川町2‒12 宇田川ビル 1階
TEL:03(3291)2570
営業時間:10時~18時30分
定休日:日曜・祝日
創業 天保元年(1830年)
いせ源(げん)(神田)
名代あんこう鍋コース1万円~。
築95年の店舗は東京都選定の歴史的建造物。
お座敷であんこう三昧風貌からは想像できない味わいがあり、骨以外はすべて食せるあんこうは、グルメな江戸っ子たちの垂涎の的。どじょう料理店として創業し、大正時代にあんこう料理専門店になった「いせ源」では、門外不出の割りしたで味わう鍋を筆頭に、青森・風間浦沖をはじめとした国産・天然あんこうの魅力を余すところなくいただけます。
住所:東京都千代田区神田須田町1‒11‒1
TEL:03(3251)1229
営業時間:11時30分~13時30分(LO)、17時~21時(LO)
定休日:月曜(4月~10月は日曜・月曜・祝日定休)
創業 文化2年(1805年)
明神下(みょうじんした)神田川本店(神田)
蒲焼きを含むセット「松」6600円。写真/吉田和行
風格たっぷりの門構え。全室が個室。写真/岡崎良一
蒲焼きを究めて220年初代三河屋茂兵衛が万世橋近くで始めた「深川屋」という鰻の屋台が起源。明治時代に神田明神下に移り、当時の店主の苗字・宇田川と出身地・相州神田村にちなみ、「神田川」と名乗るようになりました。戦争中は疎開させて守ったという辛口の「つけだれ」を纏う蒲焼きは、その姿形の美しさにも職人技が光ります。
住所:東京都千代田区外神田2‒5‒11
TEL:03(3251)5031
営業時間:11時30分~14時30分、17時~21時
定休日:日曜・月曜・祝日
創業 寛政元年(1789年)
総本家 更科堀井(さらしなほりい)麻布十番本店 (麻布十番)
そばの実の芯の粉で打つ「さらしな」1000円。のど越しと甘みが醍醐味。
大名家に愛された白いそば11代将軍徳川家斉(いえなり)の時代、信濃布を商う布屋に始まり、初代布屋太兵衛が保科家にそば打ちの腕を見込まれ、そば屋を創業。当時、将軍家や宮家に届ける出前用のそばとして乾いてもくっつきにくいように改良されたのが、名物「さらしな」の起源です。伝統の味は時代に応じて変化を続けながら継承されています。
住所:東京都港区元麻布3‒11‒4
TEL:03(3403)3401
営業時間:11時30分~15時、17時~20時(入店)※土曜・日曜・祝日は11時~20時
定休日:無休
(次回に続く。
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