【江戸の美味巡りかるた】今も昔も江戸っ子が愛するあの店、この味

創業 文久2年（1862）年
鮒佐（ふなさ）（浅草橋）

昆布、ごぼう、海老、あさり、しらすの詰め合わせ5540円。写真／小林庸浩

戦後再建された店舗。

江戸前佃煮の元祖
初代大野佐吉が釣りで時化に遭い、避難した佃島で漁師が作る雑魚の塩煮に感銘を受け、醬油を使った佃煮を考案したのが創業のきっかけ。「ヤマサ」の特選醬油を用いた秘伝のたれを使い、薪の火で魚介を一気に煮上げます。主人自らが釜の前に立ち、一子相伝の製法で160年以上、変わらぬ味を守り続けています。

住所：東京都台東区浅草橋2‒1‒9
TEL：03（3851）7043

営業時間：9時～17時
定休日：日曜・祝日

創業 元禄3年（1690年）
山本山（やまもとやま）ふじヱ茶房（さぼう） （日本橋）

最高級海苔を用いた「膳 にほんばし」2800円。奥の煎茶は1300円。

和モダンな内装の店内。

江戸から続く “一服のお茶”
茶と海苔の専門店で知られる「山本山」は、初代山本嘉兵衛が日本橋に開業した、日本最古といわれる煎茶商を起源とし、江戸庶民に茶文化を広めました。2018年に創業の地で開業した「山本山 ふじヱ茶房」では、茶と海苔の新たな魅力を発信しています。海苔が主役の料理を丁寧に淹れた茶とともに味わってみては。

住所：東京都中央区日本橋2‒5‒1 日本橋髙島屋三井ビルディング 1階
TEL：03（3271）3273
営業時間：11時～17時30分（LO）
定休日：不定休

創業 元禄12年（1699年）
にんべん 日本橋だし場 本店 （日本橋）

「かつぶしめし」（Sサイズ）170円など。

本店併設の「日本橋だし場」。

関東のだし文化を継承
初代髙津伊兵衛が戸板を並べて鰹節と干魚類を売り始め、5年後に鰹節問屋を開業。享保5（1720）年には、瀬戸物町（現在の日本橋室町）に鰹節の小売り店を構えた、歴史ある鰹節専門店です。“一汁一飯” がコンセプトの「日本橋だし場 本店」では、削りたての鰹節を使ったスープなどを手軽に堪能できます。

住所：東京都中央区日本橋室町2‒2‒1 COREDO室町1 1階
営業時間：11時～18時
定休日：無休（施設に準ずる）
詳細はWEBサイトへ

創業 文政2年（1819年）
羽二重団子（はぶたえだんご）本店（上野）

うるち米製の平たい団子は生醬油の「焼き団子」と渋抜きした餡の「餡団子」各1本330円。写真／小林庸浩

文豪が愛した古風な団子
初代澤野庄五郎が、王子街道を往来する人々に団子を供した掛け茶屋「藤の木茶屋」が前身。“絹で織った羽二重のようにきめが細かくなめらか” との評判が広がり、それがやがて菓名に、そして屋号になりました。名物「羽二重団子」は、正岡子規の『道灌山』や夏目漱石の『吾輩は猫である』に “芋坂の団子” として登場するなど、名だたる文豪たちからも愛された銘菓です。

住所：東京都荒川区東日暮里5‒54‒3
TEL：03（3891）2924
営業時間：9時30分～16時15分（LO）※土曜・日曜・祝日は10時から
定休日：無休

創業 慶安元年（1648年）
扇屋（おうぎや）（王子）

三つ葉と鶏ひき肉入りの「親子焼」。

甘くふんわり焼き上げた「厚焼き玉子」。ともに1折1300円、ハーフ650円（時期により変動）。

今も人気の行楽のお供
３代将軍家光の時代に開いた掛け茶屋に始まり、寛政11（1799）年に料亭に発展。「江戸時代一流会席番附」や「料理席献立競」には八百善や平清、水月楼といった一流店とともに名を連ねていました。「玉子焼き」は当時から大人気の名物。現在は専門店として15代目店主兼玉子焼き職人の早船武利さんが味を守ります。

住所：東京都北区岸町1‒1‒7 新扇屋ビル1階
TEL：03（3907）2567
営業時間：13時～19時
定休日：水曜（不定休あり）