『鬼平犯科帳』撮影での思い出の料理を囲んで
「この味です! おいしさとやさしさが体じゅうに染み渡る感じ。『鬼平犯科帳』の収録中にいただいた『芋飯』の味が忘れられなくて。里芋と油揚げだけならば簡単、と自分でも作ってみましたが、全くの別物になっちゃいました」と笑う幸四郎さんに、「次は油揚げを米粒くらいの大きさに切るといいですよ」と野﨑さんもアドバイス。
再会した旧友とどう話をするか、平蔵が悩みあぐねる場面では、火にかけられた湯豆腐が手付かずのまま湯の量が減っていく。「無言ながら料理がいい仕事をしてくれるんです」。
松本幸四郎さん(まつもと・こうしろう)1973年東京都生まれ。1979年三代目松本金太郎を襲名し初舞台。1981年七代目市川染五郎を襲名。2018年十代目松本幸四郎を襲名。古典から新作まで幅広い演目に取り組み、劇団☆新感線の舞台や『鬼平犯科帳』など映像作品でも活躍。
ジャケット54万100円 ニット18万4800円 Tシャツ8万2500円 パンツ16万3900円 チーフ4万4000円/すべてブルネロ クチネリ(ブルネロ クチネリ ジャパン)
和気あいあいのお二人は、2024年から始まった『鬼平犯科帳』の主役と料理監修者として共演。時代考証も踏まえ、丁寧に作られた野﨑さんの料理は撮影現場に江戸の風を吹かせ、そして安らぎをもたらしたそうです。
『鬼平犯科帳』といえば、軍鶏鍋も欠かせない献立。平蔵が密偵との連絡場所として足を運ぶことが多い軍鶏鍋屋「五鉄」の自慢の一品ですが、「これは料理に夢中になりすぎて、密偵の話が半分も頭に入ってこなくなりそうなおいしさでしたね。今日は密偵がいなくてよかった」(幸四郎さん)。
幸四郎さんも平蔵も、活躍の裏には江戸の美味あり。季節を凝縮させた料理にパワーをもらい、江戸の町で東奔西走します。
鬼平は幸四郎さんの祖父の初代松本白鸚さん、叔父の二代目中村吉右衛門さんも務めてきた役。©日本映画放送
撮影中の野﨑さんと幸四郎さん。©日本映画放送