カルチャー&ホビー

江戸後期の暮らしがわかる『守貞謾稿』から学ぶ、江戸流の生き方「足るを知る」

2025.02.27

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<注目ポイント1>
町が共同体

【長屋暮らし】
「今世江戸市井之図」。表通りに面した二階家の多くは比較的裕福な町人が1階で商いを営み、2階で生活。庶民の大半はその裏路地にある長屋を間借りし、井戸やトイレ、路地は共用。隣近所との結びつきは強かった。

<注目ポイント2>
水道システム

【井戸と水道管】
井戸というと地下水を汲み上げていたと思いがちだが、江戸の地下水は塩分が多く飲料には不向き。そこで、地下深くで井戸と「水道ノ樋」、すなわち水道管をつなぎ、遠くから上水を確保。水道システムが完成した。

<注目ポイント3>
防災意識

【火の見櫓】

木造家屋が密集する江戸の町はたびたび大火に見舞われたため、人々の防災意識も高かった。江戸の火の見櫓はおよそ10町(約1.1キロ)に1つあり、設置費用は近隣住民が負担。火災時には町火消が半鐘を鳴らして、火元との距離を知らせた。

<注目ポイント4>
地産地消

【初がつお売り、野菜売り、海苔売り】
海外からの輸入はほぼなし、高度な冷蔵・冷凍技術がないため遠方からの生鮮品の流通もなし。まさしく地産地消社会だった江戸時代、“棒手振(ぼてふ)り” と呼ばれる行商人が活躍。食通が多い江戸の町で旬の味覚や初ものを売り歩いた。

<注目ポイント5>
入浴で健康に

【銭湯、塩風呂】
江戸人が毎日通った銭湯は、浴槽の湯気を逃さないよう、洗い場との間に「柘榴(ざくろ)口」(上右)があった。日に何度も入る人もおり、お得な回数券も存在。塩風呂(上左)は高さおよそ9尺(約2.7メートル)。病気を治すといわれていた。

(次回に続く。この特集の記事一覧はこちらから>>

この記事の掲載号

『家庭画報』2025年03月号

家庭画報 2025年03月号

取材・文/清水千佳子 ※『守貞謾稿』の写真は、すべて国立国会図書館『守貞謾稿』デジタルコレクションより。 ※ 参考文献/『近世風俗志』(岩波文庫) ※『守貞謾稿』の表記は、表紙には「漫」と書かれているが、ここでは『広辞苑』で正しい表記としている「謾」を採用する。

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