〔特集〕早春の大和路を行く 古都・奈良の椿 椿は日本原産で、文字どおり春を告げる花木。『万葉集』で初めて「椿」という漢字が用いられ、平城京の宮殿や貴族の庭園に椿が植えられたと伝わります。今も「文化としての椿」を大切に守り伝える奈良の人々や古刹を通して、世界に誇れる日本の椿文化を見つめたいと思います。
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里山に佇む、隠れた椿の景勝地
高天寺 橋本院(たかまでら はしもといん)【御所市高天】
高天寺 橋本院が位置する金剛山中腹の一帯は、日本神話の「高天原伝承地」と伝えられ、霊地として崇められています。
境内には椿のほかに桜、紫陽花、蓮など四季折々の多様な茶花が咲く。椿の開花時期は4月上旬から下旬。写真/エムオーフォトス〈アフロ〉
橋本院参道へと続く葛城古道にはヤブツバキの古木が並び、絨毯のように広がる美しい落椿が見られます。
寺族一同が愛情深く手入れをされているというのが、境内にある「瞑想の庭」。雄蕊(おしべ)や葯(やく)が小さな花びらに変形して咲く「唐子咲き」や、白花で丸みのある蕾が特徴の「白玉椿」など、多彩な椿が迎えてくれます。
高天寺 橋本院住所:奈良県御所市高天350
TEL:0745(66)2141
(次回へ続く。
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