[ユーモア]
ユーモアとエスプリに満ちた絵本は、まさに大人の絵本の真骨頂。小さな笑いの向こうには、深い哲学がさりげなくちりばめられています。
『うろんな客』作・絵/エドワード・ゴーリー 訳/柴田元幸 河出書房新社 1100円
韻を踏む文章とモノクロの線画が独特なエドワード・ゴーリーの絵本を、人気翻訳家の柴田元幸氏が短歌に訳した異色の一冊。「五七五七七の文体が面白みを増して、同時に不条理ぶりも引き立てます」(俳優・美村里江さん)
『とっています』作・絵/市原 淳 世界文化社 1210円
おすもうさんが相撲を「とっています」と思ったら、ちょうちょを「とっています」、バランスを「とっています」……と延々と続きます。笑いなくして読めない、ユーモアたっぷりの楽しい言葉遊び絵本。
『翻訳できない 世界のことば』絵/エラ・フランシス・サンダース 訳/前田まゆみ 創元社 1760円
他の言語には訳せない各国固有の単語を集めた世界で最もユニークな言葉絵本。作者が移り住んださまざまな国の「翻訳できないことば」を、感性豊かな文章と洗練された洒脱なイラストを添えて解説します。
『メメンとモリ』作・絵/ヨシタケシンスケ KADOKAWA 1760円
メメンとモリの姉弟を主人公にヨシタケシンスケ氏が描く3つの物語。『メメントモリ』とは、「いつか死ぬことを忘れるな」という意味のラテン語。生きる意味について考えたとき、肩の力を抜きたいなと感じたときに読んでほしい大人の絵本。
『まほうつかいのノナばあさん』作・絵/トミー・デ・パオラ 訳/ゆあさふみえ ほるぷ出版 1540円
魔法使いのノナばあさんの手伝いに雇われたうっかり者のアンソニイ。間違った魔法で町中をスパゲッティだらけにしてしまいます。「スパゲッティが大好きなので、スパゲッティが増えていくのが夢のようで、子どもの頃、おいしそうだなぁと思っていました」(家政婦・タサン志麻さん)。