フィギュアスケート

記憶に残る氷上ロックオペラ—— 高橋大輔さん、増田貴久さんW主演『氷艶 hyoen 2025 -鏡紋の夜叉-』

2025.07.11

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あ

何が正義で何が悪なのか。殺戮兵器として育てられながら、温羅たちとの出会いを通して人間性を取り戻していく吉備津彦役の増田さん(左)と、崇高な志を持ちながらも、大切な人を失うたびに心が壊れていった青年・温羅を演じた高橋さん。

W主演を務めたプロスケーター・高橋大輔さん(温羅役)と、「NEWS」のメンバーであり、アイドル・俳優の増田貴久さん(吉備津彦役)の持ち味を掘り下げ、意外性をも見せてくれた演出の堤 幸彦さん、脚本の末原拓馬さんの展開力はまさにプロフェッショナル。

また、お馴染みのメンバーである荒川静香さん、福士誠治さんの登場で、不思議な安心感がありました。高橋さんと共にスケートの疾走感、優雅さを見せてくれたのは村元哉中さん、田中刑事さん、現役スケーターである島田高志郎さん。皆それぞれ、インパクトのある演技を披露していました。
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悪役であっても、面白がって演じきる荒川静香さん。どんな役回りで登場するのか、毎回楽しみだが、今回は鉄の女神として降臨。鉄は使う側の心持ち次第で、農具にもなれば武器にもなり得るもの。難しい役どころだったが、殺陣シーンも見事に決まっていた。声の担当は戸田恵子さん。

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祈り女・幽役の村元哉中さん。人々の怒りや悲しみ、不安といった感情を浄化していくという重要な役を、言葉ではなく滑りや佇まいで見事に演じていた。今作では振り付けも担当。

驚いたのが、高橋さん演じる温羅と深い関わりを持つ阿曽媛(あぞめ)役の俳優、森田望智さん。NHK連続テレビ小説『虎に翼』の花江役の演技にすっかり魅了されていましたが、今作ではその演技力はもちろん、華麗なスケーティングまで披露。4歳から12歳まで習っていたフィギュアスケートの実力が遺憾なく発揮されていました。
あ

スケート少女で、荒川さんのサインを勉強机に飾っていたという俳優の森田望智さん。「なぜ戦わなければいけないの?」と最後まで問い続ける阿曽媛役はこの作品の要。繊細な感情表現と確かなスケート力で、作品の完成度を高めた立役者の1人。©氷艶hyoen2025

撮影/麻生えり 構成・文/小松庸子

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