〔特集〕“自分らしく” こそ “美しい” 夏木マリという人生 情報が溢れる現代において、美の常識や価値観も日々更新されていますが、“自分らしく生きる人こそ、美しい” は普遍の真理だと家庭画報本誌は考えます。そのお手本といえるのが、俳優、歌手、開発途上国の支援者など、あらゆる活動において、格別の輝きを放ち続けている夏木マリさんです。かっこよさも艶っぽさも可愛らしさも、すべてが「夏木さんらしい」。そんな憧れの女性の “自分らしさ” を形作っている信念を伺いました。
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歌手として ──
「大事にしているのは、楽しく歌うこと。でないと、お客様も楽しめないでしょ」
鍛えられたボディでどんな衣装も堂々と着こなす夏木さん。健康のために心がけているのは「筋肉の維持」。
ブルースじゃない曲もブルースのように歌いたい
2026年5月、名門ジャズクラブ「ブルーノート東京」で、恒例となった夏木さんのライブ“MARI de MODE 8”が3晩にわたり開催されました。その初日、夏木さんは黒のロングドレスに真珠の3連ネックレスといういでたちで、夫でパーカッショニストの斉藤ノヴさんをはじめとする心強いバンドメンバーとともに登場。芸能生活50周年を記念して笠置シヅ子の名曲「東京ブギウギ」を再構築した「TOKYO JUNKBOOGIE」や、自分の半生を歌った「60 blues(スワサントンブルース)」、敬愛するジャニス・ジョプリンの楽曲「Cry Baby」などをソウルフルに歌い上げ、観客を熱狂させました。
そんな夏木さんが歌手として大切にしているのは、自分の人生を感じてもらうこと。「私が作った曲はもちろんですが、それ以外の曲もすべて、『夏木の人生を歌ってるんだな』と思って聞いてもらえるよう努力しています。つまり私は、人生の悲しみや喜びを表現する“ブルース”が歌いたいんですね。ブルースじゃない曲もブルースに聞こえるように」。

もう一つ、夏木さんがライブで大事にしているのは、自身が楽しむこと。「ライブに来る人って、楽しむために来るわけじゃないですか? バラードを聞いて泣く人もいるかもしれないけれど、基本的には楽しい時間を過ごしにいらっしゃるんだと思うんです。お客様に楽しんでもらうためには、歌っている私が楽しまないとね」。
その言葉どおり、ブルーノート東京で歌う夏木さんは、心の底から楽しそうです。目を輝かせて熱唱する姿から伝わるのは、若い頃には歌うことがかなわなかった大好きなブルースやジャズを、信頼するメンバーの演奏に乗せて届けられる喜び。その幸福感は会場全体に伝播していきます。
2026年11月には福井市で開催されるジャズ・フェスティバル「JAZZ井(ジャズイ)」へ出演が決まっている夏木さん。北陸の地に、エネルギッシュな人生の讃歌が響き渡ることでしょう。
夏木マリさん(なつき・まり)1973年歌手デビュー。1980年代から俳優としても活躍。1993年よりコンセプチュアルアートシアター「印象派」シリーズを制作。2009年にパフォーマンス集団MNT(マリナツキテロワール)を設立。開発途上国の支援活動も継続中。
(次回へ続く。
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