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八代目尾上菊五郎さん・菊之助さんが語る 襲名の日々と、これから 第三回

2026.06.22

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踊り踊りて〜歌舞伎舞踊の楽しみ〜

八代目尾上菊五郎・六代目尾上菊之助襲名披露では、数々の舞踊演目が上演されました。

『羽根の禿』は、愛らしい少女の舞踊。
「前半はぽっくり(塗りの高下駄)を履いて踊るのが大変でしたが、禿になったばかりで綺麗な着物が嬉しい8歳くらいの女の子の役なので、お客様に“かわいい”と言っていただけると嬉しくなりました」と菊之助さん。

「体を使ってよく踊れていたね」と、お父様からも合格点。


『羽根の禿』禿(尾上菊之助)2025年7月 大阪松竹座

『羽根の禿』禿(尾上菊之助)2025年7月 大阪松竹座


『うかれ坊主』の願人坊主は、コミカルで軽妙な踊り。いつもは美しく優雅な役が多い八代目菊五郎さんの意外な顔に出会えました。

「『羽根の禿』と『うかれ坊主』は、どちらも六代目菊五郎の工夫で人気が出た演目。松竹座では親子のリレーで二演目を続けて踊らせていただくことができました」と八代目菊五郎さん。

『うかれ坊主』願人坊主(八代目尾上菊五郎)2025年7月 大阪松竹座

『うかれ坊主』願人坊主(八代目尾上菊五郎)2025年7月 大阪松竹座


「『玉兎』はテンポが早いので、唄に遅れないように形を丁寧に踊りました。カチカチ山のお話の場面でウサギとタヌキを踊り分けるのが難しかったです。背が伸びてきたので、大人に見えてしまわないように気をつけました」と、菊之助さん。

『玉兎』左・玉兎(尾上菊之助)右・出演前の楽屋にて。八代目菊五郎さんと振りの確認。2025年12月 京都南座

『玉兎』左・玉兎(尾上菊之助)右・出演前の楽屋にて。八代目菊五郎さんと振りの確認。2025年12月 京都南座


同世代の歌舞伎俳優の中でも形が美しく心の入った舞踊の見事さは随一の菊之助さん。踊り上手は、お父様やお祖父様から受け継いだDNAなのでしょうか?

「DNAじゃありません! 褒めてもらえるとしたら、お稽古を頑張っているからだと思います。 顔や声が似ているのはDNAかもしれないですが、DNAだけでものすごく上手な人になれるとは思いません。これからもお稽古を頑張って、役の感じ方を勉強しながら踊っていきたいです」。

『鷺娘』では八代目菊五郎さんが、しんしんと降り積もる雪景色の中で表現する恋の切なさ、苦しさに、観客は息をするのも忘れて見惚れました。

「映画『国宝』で多くの方に認知された演目ですし、12月に上演できたのも季節感があって良かったと思います」と八代目菊五郎さん。

『鷺娘』鷺の精(八代目尾上菊五郎)2025年12月 京都南座

『鷺娘』鷺の精(八代目尾上菊五郎)2025年12月 京都南座


そして八代目菊五郎さんは7月の巡業公演では『藤娘』を踊ります。

「祖父の(尾上梅幸)が大切にしていた演目です。酔った藤の精になって、思い人に恋する気持ちを松に絡む藤がたゆたうように踊ります。生きとし生けるものすべてに心がある、と藤を擬人化する面白さ、万物への慈しみの心をお客様と共有できたらと思います」と、八代目菊五郎さん。

撮影/鍋島徳恭 取材・文/清水井朋子

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