エンターテインメント

風間俊介さんインタビュー 舞台『トランス』で現実と虚構の狭間に挑む

2026.06.04

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常に全体を客観的に眺めている自分がいる

「生きていて“一人だな”とか“自分って何なんだ”と思ったことがある人にはきっと刺さるはず。観終わった後に全員が違う感想を抱く作品だと思います」

登場人物それぞれが、一人の人格ではない物語。風間さんご自身の中にも“もう一人の自分”はいるのでしょうか?「10代の頃からの癖で、今ここにいる僕のことも、別のところからもう一人の自分を見ているという感覚は常にありますね。この仕事をするなかで、その傾向はより強くなっていきました。お芝居をしていても、作品においての役割というのを考えるタイプです。キャラクターを表現したり主張することよりも、自分の知らない誰かを演じて作品の歯車の一つになれるのが楽しいんです」

作・演出の鴻上尚史さんは風間さんの起用を“普通であることをあがいている人。普通に収まりきれない感じが、雅人という役にぴったり”と評しています。

「僕は芸能の世界に身を置かせていただきながら“芸能人”という言葉が苦手で、自分のことを社会人……社会の中の一つの役割だと思っているので、鴻上さんのその言葉は、めちゃくちゃありがたいですね。矛盾してるんですけど、普通でありたい一方で変わり者だとも思われたくて。自分の中に両方を共存させたくて、もがき続けています」


リアルとフィクションの境目がわからなくなる物語。実生活で、そんな経験をしたことは?

「『それでも、生きてゆく』というドラマに出演していたときに、一度だけ役が抜けないという瞬間があって。自宅に帰って鏡の前を横切ったときに知らない人が部屋にいる!ってピクンとなったんです。自分を自分だと認識できないなんて役者のエピソードとして超かっこいいやつじゃん、と思った瞬間にいつもの自分に戻ったのですが(笑)。時に人は自分の中で自認している姿と違うものが出てくるというのは面白いですね」

今回は全国13会場を回る公演です。

「世の中が便利になって何でも配信で楽しめる時代。だからこそ同じ時間と空間を共有できる演劇って、一番の贅沢だと思うんです。今回はその贅沢をみんなで享受できるチャンスかなと思ってます」

風間俊介(かざま・しゅんすけ)
1983年東京都生まれ。1998年、ドラマ『眠れる森』で俳優デビュー。『3年B組金八先生」(1999年)、舞台『蒲田行進曲』(2006年)、NHK連続テレビ小説『純と愛』(2012年)、大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』(2025年)など、多くの作品に出演。

KOKAMI@network vol.22『 トランス』

高校時代の同級生である3人の再会を軸に、妄想と現実が交錯する“孤独な愛と救済”をめぐる物語。1993年の初演以来国内外の数千を超える演劇団体によって上演を重ねてきた戯曲作品。作者の鴻上尚史氏自身の演出による上演は、ロンドン公演から19年ぶり、日本では21年ぶり。

2026年4月28日(火)~5月10日(日)まで 本多劇場(東京)
全席指定9500円ほか
お問い合わせ:サードステージ
TEL:03(5937)4252(平日11時~18時)
ほか2026年6月11日(木)まで、静岡、岡山、大阪、愛媛、
石川、新潟、神奈川、広島、兵庫、北海道(札幌・帯広・北見)公演あり
URL:https://www.thirdstage.com/knet/trans/
作・演出/鴻上尚史 出演/風間俊介 岡本 玲 伊礼彼方

この記事の掲載号

『家庭画報』2026年06月号

家庭画報 2026年06月号

撮影/猪俣晃一朗 スタイリング/手塚陽介 ヘア&メイク/清家いずみ 取材・文/清水井朋子

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