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八代目尾上菊五郎さん・菊之助さんが語る 襲名の日々と、これから 第二回

2026.06.08

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時代物の名作で“役を生きる”

2026年6月の歌舞伎座では歌舞伎三⼤名作の一つである『菅原伝授手習鑑』に親子で挑みました。菊之助さんが演じたのは、『車引』の場面での、荒事の代表的な役柄とされる梅王丸。ボリュームのある衣裳を着けての⾒得が見事に決まり、喝采を浴びました。

「気力も体力も必要なお役で、声の出し方も難しかったです。お稽古は、(中村)萬太郎のお兄さんにみていただきました。これからは父以外の先輩に教えていただくことも、どんどん自分の中に取り入れていきたいです」という菊之助さんに八代目菊五郎さんは「11歳(現在は12歳)で演じるには精神的にも体力的にも大変でしたが、荒事だからとただ荒々しく暴れるのではなく、(主君の)菅丞相への忠義の思いを演じてほしいと思いながら見守りました」。

『菅原伝授手習鑑 車引』梅王丸(尾上菊之助) 2025年6月歌舞伎座 ©Naruyasu Nabeshima/KATEIGAHO

『菅原伝授手習鑑 車引』梅王丸(尾上菊之助) 2025年6月歌舞伎座
©Naruyasu Nabeshima/KATEIGAHO



菊之助さんは『菅原伝授手習鑑 車引』の梅王丸を、6月の博多座でも再び演じます。

「1ヶ月ガラガラの声でお客様にお見せするわけにはいかないので、喉の調子を整えて、また頑張りたいと思います」。

観ているこちらまでエネルギーをもらえそうな力強い梅王丸に、また出会うことができそうです。

『菅原伝授手習鑑 車引』梅王丸を演じる尾上菊之助さんの、左・楽屋での支度風景。右・六方を踏んで花道から鳥屋へと駆け入る瞬間。 2025年6月歌舞伎座 ©Naruyasu Nabeshima/KATEIGAHO

『菅原伝授手習鑑 車引』梅王丸を演じる尾上菊之助さんの、左・楽屋での支度風景。右・六方を踏んで花道から鳥屋へと駆け入る瞬間。 2025年6月歌舞伎座
©Naruyasu Nabeshima/KATEIGAHO


『菅原伝授手習鑑』を襲名披露演目に選んだ理由を八代目菊五郎さんは「『菅原伝授手習鑑』の菅丞相と松王丸は初代菊五郎の当たり役だったと伝わっており、実は音羽屋(尾上菊五郎家)と縁が深い芝居です。また、『寺子屋』の松王丸は岳父の(中村)吉右衛門も何度も勤めた役。襲名披露公演では世話物、時代物、舞踊を通して音羽屋、ひいては歌舞伎の魅力をお客様にお伝えできたらという思いがあり、時代物の代表作として『菅原伝授手習鑑』を選ばせていただきました」と、語ります。

『菅原伝授手習鑑 寺子屋』松王丸(八代目尾上菊五郎) 2025年6月歌舞伎座 ©Naruyasu Nabeshima/KATEIGAHO

『菅原伝授手習鑑 寺子屋』松王丸(八代目尾上菊五郎) 2025年6月歌舞伎座
©Naruyasu Nabeshima/KATEIGAHO

主君のために我が子を犠牲にする松王丸の物語。八代目菊五郎さんが演じた松王丸は、忠義の思いだけでなく我が子と弟を失った悲しみと妻へのいたわりが時代を超えて観客の心に響き、涙を誘いました。

『菅原伝授手習鑑 寺子屋』松王丸(八代目尾上菊五郎) 2025年6月歌舞伎座 ©Naruyasu Nabeshima/KATEIGAHO

『菅原伝授手習鑑 寺子屋』松王丸(八代目尾上菊五郎) 2025年6月歌舞伎座
©Naruyasu Nabeshima/KATEIGAHO

撮影/鍋島徳恭 取材・文/清水井朋子

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