昨年5月の歌舞伎座からスタートした八代目尾上菊五郎・六代目尾上菊之助襲名披露。
公演は名古屋御園座、大阪松竹座、京都南座を経て、2026年6月の博多座、7月の全国巡業へと続いています。
写真家・鍋島徳恭さんの撮り下ろし写真とともに、お二人が公演を振り返り、その先に続く未来への思いを語る短期集中連載。
第一回は、親子で挑んだ襲名の日々について伺いました。
新しい菊五郎&新しい菊之助の誕生

2025年4月29日、襲名披露公演を前に、歌舞伎俳優ら105人が歌舞伎座の舞台上に一堂に会して行われた「古式顔寄せ手打式」を終えての会見で笑顔を見せた八代目菊五郎さんと菊之助さん。
©️Naruyasu Nabeshima/KATEIGAHO
襲名から一年、新しい名前で数々の舞台に立ち、観客にたくさんの感動を与えてきた八代目尾上菊五郎さんと六代目となった尾上菊之助さん。
「まだまだ菊五郎という名前が自分に馴染んでいるとは思えないのですが、皆様から“八代目”と呼んでいただけることが日常になりました。父も健在で舞台に立っておりますので、七代目と八代目で並び立って、芸を継承していければと思っております」と、八代目菊五郎さん。
一方の菊之助さんは「襲名の毎日を頑張る中で、菊之助という名前がどんどんどんどん自分のものになってきた感じです。この前までは父の名前だった菊之助と呼ばれても、今はもう違和感がなくなってきました」と真っ直ぐに語ってくれました。
昨年5月の歌舞伎座での最初の襲名披露演目は『京鹿子娘道成寺』。
『京鹿子娘道成寺』白拍子花子(左から・尾上菊之助、八代目尾上菊五郎)2025年5月歌舞伎座
©️Naruyasu Nabeshima/KATEIGAHO
お父様の八代目菊五郎さんとともに花道を迫り上がっていく瞬間を、「緊張はしましたが、お稽古をたくさんしていたので、楽しみでもありました。舞台からお客様のお顔が見えたり“かわいい”という声が聞こえることもあって、それも嬉しかったです」と菊之助さんは振り返ります。
大好きだというMrs. GREEN APPLEの『私は最強』の歌詞のように、万雷の拍手を味方につけて、さあ、怖れることなく新しい世界への第一歩です。
『京鹿子娘道成寺』奈落と呼ばれる舞台下にて出番を待つ。2025年5月歌舞伎座 ©️Naruyasu Nabeshima/KATEIGAHO