エンターテインメント

大ヒット上映中!映画『木挽町のあだ討ち』にご出演 柄本佑さん、渡辺謙さんインタビュー

2026.04.03

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直木賞と山本周五郎賞をダブル受賞し、歌舞伎化でも話題を呼んだ永井紗耶子さんの小説『木挽町のあだ討ち』が待望の映画化!

作品にかける思いは?物語に登場する江戸時代の芝居町と現代のエンタメの現場との共通点とは?共演を果たした柄本 佑さんと渡辺 謙さんが語り合いました。

役者の心の中にあるふるさとのような芝居町

「芝居と日常が繫がっている木挽町の人たちに共感します」──柄本さん
「軋轢や分断が多い今こそ芝居の力に可能性を見出したい」──渡辺さん

──物語の舞台となる芝居小屋、森田座のある木挽町は、現在の東京・東銀座のあたりです。

柄本 佑さん(以下、柄本) 僕の父(俳優の柄本 明さん)は、まさにこの木挽町の、歌舞伎座の真裏で生まれ育ったんです。おじいちゃんが印刷屋さんをやっていて、後にはんこ屋さんになったと聞いています。


渡辺 謙さん(以下、渡辺) 佑くん自身にとっての「芝居町」といえば下北沢だよね?

柄本 僕の場合ちょっと特殊で、小学校に行って本多劇場に帰って楽屋にランドセルを置いて劇団員に遊んでもらうみたいな感じで育ちましたし、芝居と日常がシームレスに繫がっています。 それはこの映画の中の、芝居小屋や裏の長屋に住んでいる人たちの感じに近いかもしれません。

渡辺 僕の場合は2015年、『王様と私』に出演したときに、ブロードウェイの劇場の近辺だけ、ビートが違うのを感じました。それは日本でも歌舞伎座がある木挽町とか、劇場がたくさんある下北沢などとも共通する空気感なのかもしれない。僕は日本では渋谷の劇場に出ることが多かったので、パルコのある公園通りのあたりが、ふるさとのような芝居町です。

柄本 僕はやっぱり下北沢ですね。本多劇場に入ると階段があって赤絨毯があって。大人になって舞台の仕事をするようになると、当たり前だった光景の中にちょっとずつ見えるものが増えてきて。ただ子どものときに遊んでいて、あそこは怖いなと感じた場所の記憶があるんです。今も本多劇場に行っても、そこには寄りつかないですね。

イメージは、江戸の町に現れた刑事コロンボ

──柄本 佑さんが演じた総一郎は重要な役柄ながら、原作では具体的な姿がほとんど書かれていません。

柄本 ほかのキャラクターは原作にもあるなか、僕の役は振り幅があって、自由に演じることができました。

渡辺 佑くんの得意分野だ。

柄本 撮影の初日が、総一郎が江戸に着いた場面だったのですが、そのときに源 孝志監督に、人込みで向かってくる人を避けないでガンガンぶつかりながら歩いてください、といわれたんです。なるほど猪突猛進でそれしか見えないところがある人なのね、と総一郎の人物像が見えてきました。飄々としながら仇討ちにかかわる芝居小屋の一人ずつに話を聞き、真実に迫っていく総一郎を、監督は刑事コロンボのイメージで考え出したみたいです。

はるか遠くの遠山藩から賑やかな江戸の町に到着した総一郎。柄本さんにとっての初日に撮影した場面。

渡辺 僕は原作を読んだときから監督に「これは映画にしないと」といっていたのですが、実はやりたかったのは北村一輝くんが演じた作兵衛なんです。現場で北村くんにも伝えたけれど、いい役ですよね。実際に僕が演じた金治は、いってみれば『七人の侍』の志村喬(たかし)さんのような、仇討ちを助ける頭目(とうもく)みたいな役割。元は侍だけれど今は芝居小屋の座付き作家なので、武ではなく知をもって接する感じの人間。監督の源さんが原作とは違う形で筋立てを考えてくださったので、みんなを統率して、一つの解決に向かって奇想天外な流れを生み出していきました。

渡辺さん演じる篠田金治が、役者に紛れ、『仮名手本忠臣蔵』の舞台に立つシーン。

──映画にはいろいろなバックグラウンドを背負って木挽町に流れ着いた、個性豊かな人々が登場します。

渡辺 森田座の座員たちとの場面では総一郎は異質な存在。お互いの腹の内を探り合う居心地の悪さを出したかったのですが、それでも佑くんは自分のペースだったよね。

柄本 緊張していましたって! どっちを見ても癖しかない人たちに囲まれたんですから! 一人一人のキャラクターが非常に濃いので、あえて薄さで向かい合おうとしたんです。

渡辺 生春巻みたいだね。薄いけれど全部を包み込む。

柄本 そうです! 総一郎はライスペーパーです(笑)。でも、芝居も映画も、現場そのものにもドラマがありますよね。源監督は以前僕が出演した『スローな武士にしてくれ』でも時代劇の舞台裏をちょっと遠くから見たときの滑稽さを面白く切り取っていましたが、今回の作品でも芝居にかかわる人たちの描かれ方は見どころの一つです。

渡辺 謙さん演じる森田座の立作者・篠田金治をはじめ、木戸芸者、立師、衣裳方を務める女形、小道具方……。さまざまな人生や背景を抱えた森田座の人々がかかわる仇討ちの真相に、柄本 佑さん演じる加瀬総一郎が斬り込んでいく。

撮影/筒井義昭 スタイリング/坂上真一〈白山事務所〉(柄本さん) JB(渡辺さん) ヘア&メイク/星野加奈子(柄本さん) 倉田正樹〈enfleurage〉(渡辺さん) 取材・文/清水井朋子

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