エンターテインメント

気鋭のトランペッター、松井秀太郎さん特別インタビュー。アルバム『FRAGMENTS』に込めた一音の哲学

2026.03.12

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魂の一音で対話する気鋭のトランペッター


“ジャズ界の超新星”という呼び声も高いトランペッターの松井秀太郎さん。2023年7月のメジャーデビューから、早くも3枚目のアルバム『FRAGMENTS(かけら)』がリリースされ、話題を呼んでいます。自身が作曲した7曲とサン=サーンス作「DANSEMACABRE(死の舞踏)」の編曲で構成された一枚。恩師であるピアニストの小曽根 真さんを通じて出会ったピアニストの壷阪健登さん、ベーシストの小川晋平さん、ドラム演奏者のきたいくにとさんとのカルテットによるツアーのライブ録音で完成しました。

「初日終演後に、このツアーの音を残したいと思い立ち、急遽ライブ録音に踏み切りました」と振り返る松井さん。音楽への考え方が近く、目指すところが同じメンバーとの演奏は特別だったそうです。

「ジャズの魅力は、即興に尽きます。それを身軽にできるジャズの基本フォーマットがカルテット。そして、その醍醐味を最も体感できるのが、アルバム名にもなった曲『FRAGMENTS』です。複雑なようで、楽譜にするとシンプルな短いフレーズの組み合わせで成り立っていて、演奏者に委ねる部分が大きい。音楽でコミュニケーションが取れるメンバーで演奏することで、曲が生き物のように変化していきます。全員がいろいろなジャンルを演奏した経験がありアイディアが豊富で柔軟。独自の曲の解釈があり、思いもよらない展開になるのも面白い」


メンバーの創造性を大切にし、自作の曲は譜面より曲のイメージを共有するのも松井さん流。「子どもの頃、母に本を読んでもらいながら、頭の中で物語を映像化して理解していた影響かもしれません。トリガーとなる言葉で伝えて、それぞれが解釈した曲をどう演奏するかを楽しんでいます」

また、楽器から出た空気が伝わり、最終的な音を決めるコンサートホールも楽器の一部と考える松井さん。そのため、ツアーはアナログ演奏にこだわりました。

「今回のアルバムは最後の1曲を除き、1枚目や2枚目のアルバムに収められている曲。組む楽器やホールの違いで異なる音楽になることを実感できると思います」

2026年1月からは、カルテットによる、3枚目のアルバム名を冠した全国ツアーも再開。

「曲目は、当日ホールの特徴を見極めてから決定します。ステージ上の4人の駆け引きや、新しい音楽が生まれる即興の楽しさを味わってください。トランペットは一度に一音しか出すことができませんが、歌うような感覚で一音一音に全エネルギーとメッセージを込めていることを感じ取ってもらえれば嬉しいです。観客もコンサートの音を作るうえで欠かせません。聴いてくださった方の一部になるような演奏ができるよう、日々まい進しています。複数回訪れて、違いを楽しむのもおすすめです」

松井秀太郎(まつい・しゅうたろう)
1999年生まれ。国立音楽大学附属高等学校でクラシックを学び、同大学ジャズ専修を首席で卒業。2023年『STEPS OF THE BLUE』、24年『DANSE MACABRE』をリリース。多彩なジャンルの共演も多く、マルチな才能で活躍。

『FRAGMENTS-CONCERT HALL LIVE 2025』

松井秀太郎 エイベックス・クラシックス [CD]3300円[ LP]6600円

幼少期から大切にしている虎のぬいぐるみを題材にした「TIGER MARCH」や、松井さん演奏のフリューゲルホルンで夢の世界へ誘う子守唄「LITTLE CRADLE SONG」、ピッコロトランペットで猫が戦うイメージを表した新曲「CATS’ BATTLE」など大音量で聴きたい8曲を収録。

全国ツアー『松井秀太郎 CONCERT HALL LIVE TOUR 2026FRAGMENTS』開催中。東京、神奈川、群馬、北海道、福岡、大阪、埼玉、愛知、広島、宮城にて2026年4月24日(金)まで公演。

この記事の掲載号

『家庭画報』2026年03月号

家庭画報 2026年03月号

取材・文/小倉理加 写真/Sakiko Nomura

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