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三浦文彰さん「僕の音楽人生の中でも特別な音楽祭。責任と歓びを感じます」──宮崎国際音楽祭での挑戦【後編】

2025.10.02

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〔特集〕「宮崎国際音楽祭」の音楽監督に就任 三浦文彰 音楽の伝統を継ぐ(後編) 史上最年少で最難関の国際音楽コンクールで優勝して以来、世界を舞台に活躍するヴァイオリニスト、三浦文彰さん。2025年、九州・宮崎の地で新たな挑戦が始まりました。心震わす音楽をたくさんの人々に届けるために──。
前編はこちら>>

三浦文彰さん特別インタビュー
「僕の音楽人生の中でも特別な音楽祭。責任と歓びを感じます」

三浦文彰(みうら・ふみあき)
1993年東京都生まれ。2009年、ハノーファー国際ヴァイオリンコンクールにて16歳で優勝。これまでにロサンゼルス・フィル、ロイヤル・フィル、マリインスキー劇場管、ベルリン・ドイツ響ほか世界有数のオーケストラと共演。国際音楽祭にも数多く出演。宮崎国際音楽祭 音楽監督、サントリーホールARKクラシックス アーティスティック・リーダー。

音楽界の巨匠と若手音楽家たちが集う場

「宮崎国際音楽祭は、15歳の頃から毎年参加させていただいている、第2の故郷ともいえる場所です」


同地で行われている教育プログラム「ミュージック・アカデミーinみやざき」第1回の受講生でもあり、さらに遡れば、三浦さんが3歳でヴァイオリンを始めた年に音楽祭も誕生したという、宿命的な繫がりがあります。

「たくさん勉強をした大切な場なので、何かの形でずっとかかわっていきたいとは思っていましたが、こんなに早く、このような立場になるとは。幼い頃から師事している徳永二男先生から、音楽監督を引き継ぐ話をいただいた時は、正直、自分に務まるのかという不安もありました」

その任は、想像以上に責任重大で、大変だったといいますが、初回を終えた今、確かな手応えを感じているようです。

「世界的指揮者のチョン・ミョンフンが、初めて宮崎に来てくれたことは、とても大きな出来事だったと思います。オーケストラにも、とてもいい影響を与えてくれました。

この音楽祭は、若手音楽家が育つ場という軸もあり、オーケストラのメンバーが今回から半分ぐらい入れ替わったんです。韓国の演奏家も何人か加わり、僕の音楽仲間でソロで活躍するチェリストのヨナタン・ローゼマンも参加してくれて。ベテランも若手も一緒にオケの中で弾くことで、学べることがたくさんある。そうやって、この素晴らしい場を繫いでいきたいという考えです」

トップクラスの音楽家が集い、さらなる高みを目指すことで、聴衆にとっても、広く深い音楽の世界に出会える場となるわけです。

「第1回から徳永先生がヴァイオリン界の巨匠アイザック・スターンを招き、そこからヴァイオリニストのピンカス・ズーカーマン、チェリストのミッシャ・マイスキー、ピアニストのイェフィム・ブロンフマンなどに繫がり、彼らが、宮崎国際音楽祭にいいものをもたらしてくれました。その伝統を大事にしながら、これからは、僕らの世代のアーティストも積極的に呼んでいきたい。それが、自分が音楽監督をすることの特色にもなるだろうし、この音楽祭を海外に広めていく可能性にも繫がると思っています。

16歳でハノーファー国際ヴァイオリンコンクールに優勝し、自信満々だった18歳の時。この音楽祭でピンカス・ズーカーマンに出会い、彼の音を聴いて、打ちのめされました。そして、シンプルで基礎的な、とても重要なことを教わり、僕の音楽人生は一変しました。ここでズーカーマンに出会わなければ、今の僕はいないでしょうね」

小さな子どもたちにも音楽の魅力は素直に伝わる

もう一つ、この音楽祭を特徴づけるプログラムが、「コンサート・キャラバン」です。

「街から遠く離れた場所に住んでいて、コンサートになかなか来られない人たちの元に、僕たちが出向いて、演奏するんです。徳永先生から、ぜひ続けてほしいと受け継いだ企画です。今回は2日間、山を越え谷を越え、かなり山奥まで行きましたが、宮崎の素晴らしい自然を感じることができ、緑深くて豊かな景色に、心が解放されました。

2025年4月24日に諸塚村中央公民館、25日に西米良村立西米良中学校体育館で行われた「コンサート・キャラバン」。三浦さんのヴァイオリンと、妹の三浦舞夏さんのピアノによる生演奏が、子どもたちの心を摑んだ。初めての音楽体験は、きっと彼らの人生の大きな糧となるはず。©K.Miura

村の公民館と中学校の体育館、2か所で行った演奏会には、小、中学生の子どもたちをはじめ、村の人全員かというぐらい集まってくださって。楽器を見るのも初めてという方も多かったのですが、演奏していて、純粋な心で音楽を楽しんでくださっているのがわかりました。小さな子どもたちも体育座りでじっと耳を傾けて、素直に反応してくれて。やはり音楽の力って、すごいですね。これから、僕自身も続けていきたいですし、ほかの音楽家の方たちにもぜひ参加してもらいたいと思います」

©K.Miura

©K.Miura


2011年の第6回宮崎国際音楽祭で、ピンカス・ズーカーマン氏に公開レッスンを受けた18歳の三浦さん。「多くのことを教わり、彼の音に少しでも近づきたい一心で成長してきた」という。ズーカーマン氏との運命の出会いから14年──。恩師の徳永二男先生から、音楽監督の任を受け継ぐ。

ズーカーマン氏に指導を受ける三浦さん(第16 回、2011年)

恩師・徳永二男氏との共演(第16回、2011年)©K.Miura

撮影/大泉省吾 取材・文/内海陽子 協力/宮崎県立芸術劇場

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