〔特集〕「宮崎国際音楽祭」の音楽監督に就任 三浦文彰 音楽の伝統を継ぐ(前編) 史上最年少で最難関の国際音楽コンクールで優勝して以来、世界を舞台に活躍するヴァイオリニスト、三浦文彰さん。2025年、九州・宮崎の地で新たな挑戦が始まりました。心震わす音楽をたくさんの人々に届けるために──。
国内外から著名音楽家が集った1か月──
宮崎で駆け抜けた音楽監督としての日々
三浦文彰(みうら・ふみあき)1993年東京都生まれ。2009年、ハノーファー国際ヴァイオリンコンクールにて16歳で優勝。これまでにロサンゼルス・フィル、ロイヤル・フィル、マリインスキー劇場管、ベルリン・ドイツ響ほか世界有数のオーケストラと共演。国際音楽祭にも数多く出演。宮崎国際音楽祭 音楽監督、サントリーホールARKクラシックス アーティスティック・リーダー。
世界的指揮者チョン・ミョンフン氏を迎え、音楽祭のための特別編成オーケストラ、宮崎国際音楽祭管弦楽団とともにステージに立つ三浦さん。アイザックスターンホールにて。©K.Miura
日本屈指の音楽専用ホールを有する宮崎県立芸術劇場を主な舞台に、毎年約1か月にわたって数々のコンサートが開かれる、宮崎国際音楽祭。30年の歴史を刻んできた節目となる2025年、三浦文彰さんが音楽監督に就任しました。ヴァイオリンの師であり、創設時より総合プロデューサーや音楽監督を務めてきた徳永二男氏から、バトンを渡されたのです。
音楽祭創設時に尽力した世界的音楽家の名を冠した、アイザックスターンホール。ウィーンのムジークフェライン「黄金の間」をモデルにした豊かな響き、華やかさと温かみが魅力。ヴァイオリン:三浦文彰、ピアノ:辻󠄀井伸行、ヴィオラ:鈴木康浩、チェロ:ヨナタン・ローゼマンによる室内楽コンサート(2025年5月3日)。

朋友・辻󠄀井伸行さんも駆けつけ音楽祭は最高潮に──
音楽祭中盤には、ピアニスト辻󠄀井伸行さんとともに2公演に出演。熱演が繰り広げられ、満席の聴衆約1800人を大いに盛り上げた。写真は、ゴールデンウィーク中の2025年5月4日、『三浦文彰×辻󠄀井伸行II「空から降る音色」〜奇蹟のデュオ・リサイタル』より。アイザックスターンホールにて。
音楽監督の仕事は多岐にわたります。音楽祭の構想を練り、国内外から一流演奏家を招聘し、多彩なプログラムを届けるために、準備は1年以上前から始まります。今までのクオリティを継承しつつ、自分ならではの特色をつけるために、考え、悩み、調整し、音楽祭を支えるスタッフたちと共に、多くの想いと時間を注ぎ込みました。
AIによる音楽と映像の共演という、新たな試み(2025年5月10日)

ブラームスのヴァイオリン協奏曲を弾き終え、指揮を務めたチョン・ミョンフン氏と称え合う三浦さん(2025年5月17日)
もちろん、ヴァイオリニストとして舞台に立ち、仲間の音楽家たちと極上の音楽を届けることも、大きな役目です。
ピアニスト、チョン・ミョンフン氏との五重奏(2025年5月15日)。

トークでも盛り上げる三浦さん(2025年5月18日)。
新音楽監督による記念すべき第30回は、2025年4月20日から5月18日まで16公演が行われ、たくさんの人々が音楽に魅了されました。
音楽祭のフラッグが掲げられ、南国宮崎らしいブーゲンビリアが華を添えるエントランス。©K.Miura
(次回に続く。)