「客席のお客さんも含めて、“人と一緒につくっている”感覚が好きです」
20代の頃から「舞台が好き」で、近年ではベートーヴェン役がまさにハマリ役となっている舞台『No.9 ─不滅の旋律─』が再々々演されるなど、俳優としての実力をますます発揮している稲垣さん。
「稽古から本番まで、舞台では同じセリフを何百回と口にしながらブラッシュアップしていける。そこが自分の性に合っているのかなと毎回感じます」
「人と一緒につくっている」感覚、それもスタッフや共演者のみならず、「お客さんとも一緒につくる」ところが、映像では味わえない魅力だと語ります。「自分にとって舞台は“人とのつながり”を最も色濃く感じる場所なんです。普段は部屋の植物と同化しそうになるくらい(笑)、静かに穏やかに暮らしていて、もう妖精みたいになっているところがあるんですが(笑)、大勢のキャストやスタッフの皆さんと過ごし、毎日いろいろなお客さんが来てくれる舞台をやっていると、自分が本当に生きているんだなと感じるというか、人間らしい自分に気づくというか。そういう感覚があります」
息子に反抗される不器用な父を今回演じる稲垣さん。「僕自身は反抗期はなかったですね。うちは家族みんなが自立した感じで、親とはずっといい距離感です」。
妖精化してしまうほど!?愛猫たちに癒やされる日々
一方、癒やしの存在になっているのが3匹の愛猫。
「一番上が3歳の女の子で、下の2匹が2歳の男の子。僕にとっては大切な家族です。成長とともに男の子はより甘えん坊になってくるし、性格もそれぞれはっきり分かれてきて、それがまた面白い」と自然と笑みがこぼれます。
そんな稲垣さんに、今回の舞台に登場する魔法のアイテム“タイムターナー”で過去に行けるとしたら?と尋ねると、「猫つながりでいうと、20代の頃に飼っていた猫に会いに行きたい」とのこと。
「今では考えられないぐらい、当時は家にいなかったので、申し訳ないことをしたなと感じていて。それもあって、ずっと猫を飼っていなかったんです。2匹飼っていたので、そこまで寂しくはなかったかもしれませんが、今の子たちと接していると、かわいそうなことをしたなと思うことが多くて。改めてちゃんと彼女たちに会って、可愛がりたいです」
柔らかな中にも独特の硬質さが光る佇まいに、優しく繊細なハートを秘めた51歳。確実に表現の幅を広げている稲垣さんのハリーに、期待は高まります。
世界観は大切にしつつも、自分らしいハリーを演じられたら
「トリプルキャストも、4か月にわたるロングランも初めての経験です。心と体を整えて、無事に完走したいですね。世界観は大切にしつつも、自分らしいハリーを演じられたらと思います。ぜひ劇場で生で味わっていただいて、何か感じてもらえたら嬉しいです」
「BISTRO J_O」のディレクションも手がけている稲垣さん。最近食べておいしかったものを伺うと、「制作中の映画の撮影で滞在した、ある地方のもつ鍋屋さんが抜群においしかったですね。草彅(剛)さんに教えてもらったお店で、彼は撮影期間中に6回も行っているんですよ。お店の子どもに親戚みたいに懐かれていました(笑)」。
稲垣吾郎(いながき・ごろう)1973年東京都生まれ。1987年に芸能界入りし、SMAPとして活動の後、2017年に独立。近年の主な出演作は映画『半世界』『ばるぼら』『窓辺にて』『正欲』、ドラマ『燕は戻ってこない』、舞台『No.9 ─不滅の旋律─』『多重露光』など。MCとしても活躍し、TOKYO FM『THE TRAD』のパーソナリティを務めるほか、新しい地図のWEBバラエティ番組『ななにー 地下ABEMA』を日曜20時より配信中。
舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』
ハリー・ポッターが闇の魔法使いを倒してから19年後。再び起き始めた不穏な事件に人々が不安を募らせる中、父ハリーに反抗的な次男アルバスが魔法学校に入学する。アルバスが入学式へ向かう列車で出会ったのは、ハリーと犬猿の仲であるドラコ・マルフォイの息子。二人は親友になり……。
TBS赤坂ACTシアター
上演中~2025年10月31日(金)〈※稲垣さん出演は2025年7月17日(木)より〉
全席指定SS席1万7000円ほか
ホリプロチケットセンター:03-3490-4949(平日11時~18時)
2025年7月以降のハリー・ポッター役/稲垣吾郎・平岡祐太・大貫勇輔
URL:https://www.harrypotter-stage.jp/