今月の人 稲垣吾郎さん
世界的ベストセラー『ハリー・ポッター』シリーズの作者J・K・ローリングが執筆に加わり、世界の一流クリエイターとともにつくり上げた舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』。
2022年に開幕し、大好評を得ているその東京公演が、2025年7月にロングラン4年目を迎えます。
絶賛上演中の人気公演に新キャストとして出演
「3年も続いてきた素晴らしいエンターテインメント作品に新たに参加できて、とても光栄で嬉しいです。正直、これほど世界で広く愛されているキャラクターを自分が演じるなんて考えてもみなかったので、お話をいただいたときは驚きました。でも世間的に見ると、僕も少しファンタジーというか(笑)、ちょっと不思議な謎のキャラクターだと思われているところがあるので(笑)、結構合っているかもしれないと今は思っています」
そう話すのは、2025年7月から10月の公演に新キャストとして出演する稲垣吾郎さん。魔法省で働く3児の父となったハリーを演じます。
「僕にとって舞台は、自分が生きていると感じ、人間らしさに気づく場所です」
コート、シャツ、パンツ、靴/ランバン(コロネット)
というのも、本作品の舞台は、ハリーと仲間たちが魔法界を救ってから19年後の世界。“英雄の息子”というレッテルに苦しみ、反抗的な態度をとる次男アルバスに、幼い頃に両親を亡くし、父親としてどう接していいかわからないハリーが戸惑う中、新たな暗闇が忍び寄り……という物語なのです。
「偉大なハリー・ポッターを演じると同時に、一人の不器用な父親を演じるんだなと捉えています。僕には子どもはいませんが、もしも父親になったとしたら、子どもは“有名人の子”という目で見られるだろうし、きっと僕もどう接していいかわからない。自分とも近しいものを感じる、その不器用さを繊細に演じられたらと思います。そこがこの作品の大きな見どころの一つであり、時代や場所を問わず共感できる部分だと思うので」
カンパニー一丸となって素敵な魔法を届けたい
稲垣さん自身も、『ハリー・ポッター』シリーズのそんな“人間ドラマ”の部分に、とても惹かれているといいます。
「わくわくドキドキするような魔法の世界を描いた壮大なファンタジーの中に、全編を通して、いろいろな年齢や立場、考え方のキャラクターが登場し、それぞれの人間性や成長、愛情がしっかり描かれている。本当にすごい作品だと思います。だからこそ19年後を描いた舞台も成立するし、幅広い層の人たちが各々の目線で楽しめるんでしょうね」
その徹底的に作り込まれた世界観も魅力的だと話します。そして、それを体感できるのが、この舞台の面白さだと。
「僕も観劇させてもらったんですが、想像以上のクオリティのエンターテインメントになっていて、魔法の世界に入り込んだかのようでした。今度は自分が誘う番。各部署の方々と力を合わせて、素敵な魔法をかけられるように頑張ります」