エンターテインメント

田中圭さんが鬼才・熊林弘高さんとのタッグで傑作喜劇『陽気な幽霊』に挑む

2025.04.16

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今月の人 田中圭さん

ウィットに富んだ洒落た喜劇で知られる20世紀の英国を代表する劇作家ノエル・カワード。俳優でもあり、また演出などでも活躍した彼が第二次世界大戦中に執筆し、戦時下のロンドンでロングランを記録した傑作喜劇『陽気な幽霊』が魅力的な顔合わせで上演されます。

演出は、戯曲や出演者とじっくり向き合い、独自の視点と発想で話題作を生み出してきた鬼才・熊林弘高さんです。

信頼する演出家との久々のタッグで挑む傑作喜劇

「最初に戯曲を読んだときは“コメディなんだ、熊林さんらしくないな”と思ったのですが、改めて読み返すと純粋に面白いと思いました。夫婦のマウントの取り合いや嫉妬、自分勝手な言い分が面白おかしく書かれていて、昔も今も変わらないんだなと感じました。役柄と素晴らしい顔ぶれの出演者の個性と熊林さんの演出が、いい感じで混ざり合うのではないかと楽しみにしています」

そう話すのは、主演を務める田中 圭さん。熊林さん演出の舞台に出演するのは、9年ぶり4作品目になります。



ジャケット/UNDECORATED(アンデコレイテッド)靴/Paraboo(t Paraboot青山店)シャツ、ネクタイ、パンツ/スタイリスト私物

今回演じるのは、小説の取材のために霊媒師を自宅に呼び、降霊会を開く作家のチャールズ・コンドマイン。会は失敗に終わりますが、客人が帰ると7年前に亡くなった前妻の幽霊が現れ、その姿がチャールズにしか見えないことから、さまざまな騒動や事件が巻き起こります。

「前妻の幽霊が自分や再婚相手にちょっかいを出してくるなんて、チャールズにしてみたらパニックだし、悲劇。本気で焦って困るほど、観る側は面白いと思うので、コメディだと意識せずに演じるつもりです。熊林さんの演出には妥協がないので、きっと今回も大変だと思うのですが、僕は楽ができない現場や、熊林さんの現場でしか味わえない感覚が好きです。ついていくので精一杯だった9年前の自分に比べたら、人間的にも芝居の面でも厚みが増しているはずなので、それを信じて稽古に臨もうと思います」

噓なくそこにいられることが大事

2024年7月に40歳になった田中さん。20代の頃から「芝居のスキルや感覚を磨く修業の場なので、絶対にやらないとダメだと自分に課してきた」舞台を、最近ようやく少し楽しめるようになってきたといいます。

また2025年1月には、ファンに向けて動画を配信するオフィシャルアプリ「田中さん家。」を開設。さらに現在、自身が出演する映像作品を企画しているなど、新たな挑戦が進行中です。

「40代になったことだし、こういうことをやりたいな、こういうものがあったらいいな、こういうものを見てみたいなと考えているものを、企画がないなら自分で作ってみようかなと。今年中に、ある程度形にできればと思っています」

「この仕事をしている以上は世の中にハッピーを届けていきたい」──田中圭さん

一方で、長期の展望については「全くわかりません。世の中、何が起こるかわからないし、一つ一つの作品にしっかり挑んでいくだけです」とのこと。ただ、「自分としては、観てくださる方の感情が動くような作品に携わっていきたい」と話します。

「暗いニュースや出来事が多い今。だからこそ、この仕事をしている以上は、世の中にハッピーを届けていきたいですし、もっとみんなに笑っていてほしいという思いは尽きません」と。

「やらせていただく役柄としては、すごく嫌なやつでも、ムカつくやつでもいいんです。その作品を観た人の感情が動くことで、ストレス発散になったり、自分のほうがマシだなと思えたりして、結果的にハッピーになってもらえたらいいなと思っていて。そのためには、自分が噓なくそこにいられることが大事ではないかと感じています。常に心から笑ったり泣いたりできる人でいられるように、日々をちゃんと過ごしていきたいです」

プライベートでは、近頃ゴルフを始めたという田中さん。「旅行もしたいですね。40歳になって、もう少し自分のために時間や脳みそやお金を使うことも大事なのかなと思うようになりました」。

田中圭(たなか・けい)
1984年東京都生まれ。2000年にデビューし、映画、ドラマ、舞台など話題作に多数出演。主演ドラマ『おっさんずラブ』『あなたの番です』で多くの賞を受賞。最近では、映画『私にふさわしいホテル』や、ドラマ『わたしの宝物』『アンサンブル』などに出演している。

舞台『陽気な幽霊』

舞台は1941年の英国ケント州。小説家チャールズ・コンドマイン(田中 圭)は再婚した妻(門脇 麦)と住む自宅に、新作の取材で霊媒師(高畑淳子)を招いて降霊会を開く。客人らが帰った後、チャールズだけに見える形で7年前に他界した前妻(若村麻由美)が現れ……。

作/ノエル・カワード 翻訳/早船歌江子 演出/熊林弘高
出演/田中 圭 若村麻由美 門脇 麦 天野はな あめくみちこ 佐藤B作 高畑淳子

シアタークリエ(東京)
2025年5月3日(土・祝)~29日(木)
全席指定1万2000円
東宝ナビザーブ:0570-00-7777(ナビダイヤル)
※2025年6月2日(月)~15日(日)に大阪、福岡公演あり
URL:https://www.tohostage.com/yokinayurei/

この記事の掲載号

『家庭画報』2025年05月号

家庭画報 2025年05月号

撮影/筒井義昭 スタイリング/菅沼 愛 ヘア&メイク/小澤麻衣(モッズ・ヘア) 取材・文/岡﨑 香

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