
重要無形文化財の伝統技法・截金(きりかね)をガラスの中に封じ込めた、独自の技法「截金ガラス」で、唯一無二の芸術領域を開拓し続けるアーティスト、山本茜さん。その創作の変遷をたどる個展「KIRIKANE Sculpture 山本茜」が、横浜のそごう美術館にて2026年10月24日より開催されます。
石川県金沢市に生まれた山本さんは、京都市立芸術大学で日本画を学んだ後、截金の重要無形文化財保持者である故・江里佐代子さんのもとで技法を修得。その後、「截金を装飾ではなく表現の主体として空間に浮遊させたい」という強い思いからガラス造形を学び、ガラス内部で截金が交差する立体的で美しい「截金ガラス」を生み出しました。
本展は、従来「截金ガラス」と称されてきた山本さんの作品を、工芸の枠組みを超えた“KIRIKANE Sculpture(彫刻)”として新たに発信する、美術館での初となる個展。会場では、大学時代の模写や木工作品から最新作まで約60点を一堂に展示し、常に技術と表現の革新に挑み続ける、作家活動の全貌に迫ります。
最大の注目は、山本さんがライフワークとして取り組む『源氏物語』シリーズです。その24作目となる新作《源氏物語シリーズ第十八帖「松風」─浮木舟─》を本展で初披露。
明石の御方の不安で波立つ心を表現するため、15ピースのガラスを融着させるという規格外の難題に挑戦。通算52回の窯入れと4年の歳月を費やした渾身の作です。