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アートの専門家に聞く アートの選び方、楽しみ方【後編】

2026.10.14

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〔特集〕価値ある作品で人生を豊かに 「アートのある暮らし」 かつては投資の対象として語られることも多かったアート。今や資産性にとどまらず、日々の暮らしを豊かに彩る存在へと広がっています。お気に入りの作品を迎えた住まいから、注目のアーティスト、飾り方まで、美術館だけではない、日常に息づくアートの魅力をお届けします。

・特集「アートのある暮らし」の記事一覧はこちら>>>

アートの専門家に聞く
アートの選び方、楽しみ方

ア・ライトハウス・カナタ 代表
青山和平さん

(1)アーティストの発掘方法、作品の見極め方
共通の知人による紹介や偶発的な出会いなど、作家さんとの出会い方は千差万別です。作家さんからアポイントメントをいただいたら、必ずお会いすることを心がけています。出会いとは、突然訪れるものです。私自身、さまざまな素敵な作家さんと仕事上でお会いすることが叶い、幸せ者です。


(2)作品を見る際のポイント
一過性の流行りを追わないことです。そしてよい作品とは説明が要らず、一見して人の心を捉えるものです。たとえその作品を見た人が1000年前のイギリス人であっても、200年前のイタリア人であっても、100年後の日本人であっても感じることは同じ。よい作品は、時代も国境も人種も宗教をも超越すると思いますし、私自身そんな作品を探すことが好きです。

(3)アート作品の飾り方、楽しみ方
目線の流れと空気感を大切にしています。玄関にふさわしい作品とリビングに合うものは違ったりします。それに加え「気の流れ」を極力自然体のまま保つことを意識しています。また、子ども部屋では、その子の雰囲気に合わせて絵を選び、飾っています。

(4)アートを購入する魅力、醍醐味
アートと一緒に暮らすと心が豊かになり、日常が幸せな気持ちで溢れます。これからもそんな日々を家族とともに過ごせたらと願っています。

(5)おすすめの作家
三鑰彩音

主に、目に見えない記憶や時間、現象や感情などを対象に制作を行う日本画家。

三鑰彩音 Ayane Mikagi (1988~)
《花霧》2020 岩絵具、水干絵具、箔、白麻紙196×344センチ 画像転載不可

サザビーズジャパン シニアアドバイザー
石坂泰章さん

(1)アーティストの発掘方法、作品の見極め方
アート・バーゼル(スイス)、主要オークションの下見会場、気になる作家の画廊、美術館での展覧会で出会います。感性だけでなく、ある程度の美術史の知識がないと、作品が単なる過去の模倣なのか見極められないので注意が必要です。

(2)作品を見る際のポイント
誰かの作風に似ているので心地よいという作品で、後世に残る作品はほぼないと思います。新たな発想の作家に出会ったときに拒否感を覚えることもあるのは、それだけその発想が斬新である証という場合もあります。また、時事問題や先端技術があまりにも主体となっている作品には、本質的に訴えるものがない場合が多いです。

(3)アート作品の飾り方、楽しみ方
自宅では国内作家の絵画のほかに、ジャンルを問わずにガラス作品、陶芸作品、竹細工などの立体作品も展示しています。展示する際には作品同士の主張がぶつかり合わないように「less is more(少ないことは、より豊かなこと)」を心がけています。

(4)アートを購入する魅力、醍醐味
心を癒やしたり、時代、常識を超越した視点を与えてくれたりと、その時々によってアートの魅力は異なります。いずれにしてもアートの醍醐味は美だけではありません。アートはもっと奥深いものです。

(5)おすすめの作家
ピーター・ドイグ、ゲオルク・バゼリッツ

ギャルリー・パリ 代表
森田彩子さん

(1)アーティストの発掘方法、作品の見極め方
どの町に行っても、アートと関係のありそうな場所は必ず訪れるようにしています。また、どんなに小さなチラシやウェブで一瞬流れる画像であっても、光るものを持っている作品は必ず目に留まります。それを見逃さないためには「自身の感覚を研ぎ澄ませておくことが必須!」といつも自分に言い聞かせて勉強しています。

(2)作品を見る際のポイント
作品によって異なるので言葉にするのは難しいですが、作品タイトルや解説を先に読まず、まずはじっと作品自体を見ることが大切かもしれません。

(3)アート作品の飾り方、楽しみ方
一日の日差しの入り方や、季節によって変化する窓からの景色など、さまざまな場面を想定して展示位置を決めています。

(4)アートを購入する魅力、醍醐味
美術作品は単なるアイテムではなく、作家が全身全霊で生み出したものです。それらを所有することは、楽しみであると同時に、それぞれのアーティストと価値観を共有し、彼らとともに生きていくということ。つまり、自分自身の人生に新しい扉が開くということです。作品は所有しないとわからないことや、生活空間にあって初めて気づくことも多いので、その気づきもまた、所有者の特権です。作品を自宅に飾る場合は、家族の歴史や家の歴史と作品が共存していくので、作品のコレクション、それがある場所での生活、そのすべてが、家族の大切な豊かな想い出をつくり出します。また、所有しているアーティストが活躍していく姿を見るのも、一緒にワクワクできる楽しい経験です。

(5)おすすめの作家
フランシス真悟、遠藤章子


日本とアメリカを拠点に活躍。静謐で和の空間にもマッチする作品を多く手がける。

フランシス真悟 Shingo Francis(1969~)
《Phases ofTransformation(violet)》2026 キャンバスに油彩 91×91センチ
photo by Keizo Kioku 画像転載不可

森田さん「クラフト的な要素もありながら、純度の高いガラス作品を制作するアーティスト」

遠藤章子 Shoko Endo(1985~)
《小さい手》2019~鋳造ガラス4.5~8.0×4.5~6.0×2.5~4.5センチ(個体差有り) 画像転載不可


(次回へ続く。この特集の一覧はこちらから>>)

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