〔特集〕価値ある作品で人生を豊かに 「アートのある暮らし」 かつては投資の対象として語られることも多かったアート。今や資産性にとどまらず、日々の暮らしを豊かに彩る存在へと広がっています。お気に入りの作品を迎えた住まいから、注目のアーティスト、飾り方まで、美術館だけではない、日常に息づくアートの魅力をお届けします。
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我が家はプライベート美術館
アートのある暮らし拝見
暮らしの中で、アートを所有するということ
アートを鑑賞することと、所有することは見える景色が違います。まずは一点から。価値ある本物のアートが、あなたの人生を豊かにしてくれます。
T邸の応接空間。絵画から立体まで、多様なアート作品がお迎え。
設計/建築設計事務所バケラッタ
森山善之+柯 文堅
手嶋大輔
Daisuke Teshima(1977~)
《内から外へ》 70×40×110センチ
青木 豊
Yutaka Aoki(1985~)
《Untitled》 247.6×194センチ
テラコッタ 男性座像
NOK文化 アフリカ・ナイジェリア
高さ77センチ
桑田卓郎
Takuro Kuwata(1981~)
《茶垸(ちゃわん)》 41×41×38センチ
夫婦で集めたコレクション。大好きなものだけに囲まれる生活
──Tさん(経営者)
都心の閑静な住宅地に建つTさんの邸宅は、まさにアートと暮らすための家。門扉を抜けた瞬間から、個性的なコレクションが目に飛び込んできます。
大理石が敷き詰められたアプローチには立体作品が置かれ、玄関のドアを開ければいくつもの作品に迎えられます。居室はもちろん、階段や洗面室など、住まいの隅々まで作品が配され、どこに視線を向けても、常にアートが目を楽しませてくれます。
2023年竣工。LDKは3階に位置する。リビングスペースは天井に勾配をつけ、リラックスした雰囲気に。広い壁に並んで掛けられた強い個性を放つ3作品が、空間と見事に調和している。ソファとコーヒーテーブル、オットマンは「モルテーニ」。
ジョルジョ・デ・キリコ
Giorgio De Chirico(1888~1978)
《Piazza dʼItalia(イタリア広場)》 39.9×49.7センチ
ジャン=ミッシェル・バスキア
Jean-Michel Basquiat(1960~1988)
《Cabeza, from Portfolio Ⅱ》 138.7×100.8センチ
ベルナール・ビュフェ
Bernard Buffet(1928~1999)
《Carmen》 130×81センチ
設計は豪邸建築の名手「建築設計事務所バケラッタ」。LDKや階段室などに選ばれたのは、ギャラリーのような白い壁ではなく、「チェポストーン」と呼ばれる大理石素材の壁。自由な位置に絵を掛けるための仕組みをオリジナルで考案しました。
石張りではない壁も、石膏ボードの裏すべてにベニヤを張り、どこにでも絵が掛けられるよう特別に工夫。ご子息の手も借りながら、好きな場所に好きな作品を飾って楽しむ暮らしを謳歌しています。
Tさんが手にしている作品は浅野忠信の《No.038》。
豪邸に工夫あり。住まい手が簡単に絵の掛け替えができるフック
壁に設けたスリットとオリジナルのフックで、石壁にアンカーを打ち込まずに絵が掛けられる仕組み。細いプレートをスリットに差し込み、90度回転させて固定する。
格子のガラスウォールの一部に設けた白い壁には、舘鼻則孝のパネル作品を。「高い位置にあるので、掛け替えるときは脚立を使います」とTさん。
舘鼻則孝
Noritaka Tatehana(1985~)
《Duality Painting Series》各76.4×76.4×9.4センチ
《Thundercloud×Bellflower》82×56×16センチ
季節や気分に合わせて掛け替える愉しみ
ダイニングテーブルの正面は、Tさんが最も長く目にする場所。頻繁に作品を掛け替える。壁の上に見えているのはポール・アイズピリ《花を持つ少女》。階段上は日比野克彦《X Department 2020 Navy Blazer》。
菅井 汲
Kumi Sugai(1919~1996)
《緑の太陽・月》 150×150センチ
地下から1階への階段には日比野克彦の作品がずらり。T夫妻は日比野氏と交流があり、氏が主宰するプロジェクト「TURN」のサポートも行っている。
日比野克彦
Katsuhiko Hibino(1958~)
《DERBY》 60×40センチ
ダニエル・ジョンストン&ロン・イングリッシュ
Daniel Johnston (1961~2019) & Ron English(1959~)
《Jeremiah Starskull》 91×91センチ
(次回へ続く。
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