〔特集〕価値ある作品で人生を豊かに 「アートのある暮らし」 かつては投資の対象として語られることも多かったアート。今や資産性にとどまらず、日々の暮らしを豊かに彩る存在へと広がっています。お気に入りの作品を迎えた住まいから、注目のアーティスト、飾り方まで、美術館だけではない、日常に息づくアートの魅力をお届けします。
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「現代建築とアートの聖地」への変貌が加速
この秋、第一回 前橋国際芸術祭2026に注目!
近年、日本各地で開催され、多くのアート好きで賑わい、町おこしにも繫がっている芸術祭。2026年は新たに群馬県前橋市で9月19日~12月20日の80日間、実施されます。その立役者であるお二人に、ほかにはない魅力や見どころ、今後の展望を伺いました。
(写真/本誌・西山 航)
実行委員長 兼 総合プロデューサー田中 仁(たなか・ひとし)さん1963年群⾺県⽣まれ。ジンズホールディングス代表取締役会長CEO。2014年に設立した⽥中仁財団を通じて、故郷の起業支援、文化芸術振興、前橋市の再開発などに情熱を注いでいる。2010年代から急速に「現代建築とアートの聖地」へと変貌を遂げつつある前橋市で、2026年の秋、初の国際芸術祭が開催されます。瀬戸内国際芸術祭や越後妻有の大地の芸術祭など、今や全国各地で芸術祭が開催されている中、前橋国際芸術祭ならではの特徴やビジョンとは? 実行委員長 兼 総合プロデューサーの田中 仁さんとプログラムディレクターの宮本武典さんに伺いました。
「一つは『歩いて回れる芸術祭』であることですね。市の中心部、約500メートル四方のエリアで行うため、さまざまな作品を気軽に楽しめます。また、現代アートに限らず、萩原朔太郎の出身地らしく詩や文学、さらには演劇や音楽、食のプログラムも。世界的フーディー(美食家)の浜田岳文さんが気鋭のシェフたちとともに『食は現代美術の領域に入り得るか?』を検証するユニークなプロジェクトもあります。芸術祭で『食』をコンテンツにするのは世界でも例がないそうです」
意欲的に話す田中さんは経営の第一線を務めながら、前橋の活性化に誰よりも尽力。2020年に開業したアートホテル、白井屋ホテルを手がけたのもそのためでした。
一方、キュレーターの宮本さんは自ら選定、誘致した国内外70組のアーティストを「風の人と土の人」と表現します。「風の人は外から来る優れたアーティストたちで、前橋を新しい切り口で捉えて作品を生み出す。土の人は地元のアーティストたちで、暮らしているからこそできる方法で前橋を表現する。両者が一緒に舞台へ上がることで、前橋国際芸術祭はでき上がります」。
今後の展望について、田中さんは、「スペインのビルバオなど小さくても世界中から人が集まる町には、その土地ならではの文化があり、人々が町に誇りを持っています。前橋も、文化に焦点を当てて価値のあるものを提示していけば、世界から人が集まるはずです。その人たちが『前橋いいね』と評価してくれることで、地元の人たちも『自分たちの町もいいんじゃないか』と思えるようになる。そう信じています」と語ります。
「10年、20年かけて町の風景が大きく変わっていくのに並走する形で、2年に1回のお祭りを開催し続けることで、人も活動も育っていく。そうしてハードとソフトの両方が成長することで、田中さんが思い描くような町になっていくのではないでしょうか」とは宮本さん。人々の希望を乗せて、前橋国際芸術祭はまもなく船出の時を迎えます。
第一回 前橋国際芸術祭 2026会期:2026年9月19日~12月20日
会場:アーツ前橋、まえばしガレリア、白井屋ホテル、寺町藝術センター、前橋市中心市街地エリア
開場時間:10時~18時(最終入場17時30分)
水曜閉場 ※2026年9月23日(水・祝)は開場、翌24日(木)は振替閉場
料金:パスポートチケット(各有料展示会場で提示すると、会期中1会場につき各1回入場可能)一般3000円
※会場により閉場日が異なる場合などあり。詳細はURLよりご確認ください。
URL:
https://maebashi-biennale.com/