書家・紫舟 伝統と次元を超えた“和”の世界 『美の壺』『龍馬伝』などの題字で、広くその名を知られる書家の紫舟(ししゅう)さん。伝統的な「書」を軸に発信する三次元の「書の彫刻」やアートとのコラボレーションなど、固定観念にとらわれない挑戦が国内外で評価されています。日本古来の文化へのリスペクトをベースに多彩に活躍する紫舟さんの、奥深い、唯一無二の世界をご案内します。
躍動する作品たち
代表作から最新作まで
書
《土の神さま》(2025年)人の手では、土をつくれません。わずか1メートルの土が育つには、一万年という時が必要です。土は命と同じく、人間が完全にはつくり出せないもの。私たちにできるのは、土を育み、大地を守り、地球を敬うこと。土は、かみさま。(紫舟さん)
《心》(2025年)総合システム管理株式会社(福岡市)の創立50周年に依頼された新しいロゴマーク。「心と心を繫ぐことができれば、可能性は無限大になる」という社長の熱い思いを表した。
《橿原神宮》(2025年)神武天皇を祀る奈良県の橿原(かしはら)神宮に神社名を揮毫。橿原神宮は「予祝御祭(よしゅくおんまつり)」(263ページ)など紫舟さんとは深いご縁のある神社。2040(令和22)年の紀元2700年祭に向けての準備も始まった。
《ポルシェ Speedster》(2026年)新しくスタートした「墨蹟名車シリーズ」の一つ「ポルシェSpeedster」。イタリア古典絵画技法で黄金背景地を作り、外車の持つスピード感とフォルムの可愛らしさを表現している。
彫刻
《未来への可能性「X」》(2023年)未来へ向けて翼を広げ、攻めの姿勢でダイナミックに羽ばたく様子を「X」の文字で表した鉄製の彫刻。勢いよく跳ねる線と表面の凹凸に、未来への可能性と力強さが感じ取れる。
《上昇墨蹟》(2024年)「エネルギーの集合体が地に結集し、力を十分に蓄え、次の瞬間に爆発的に天へと向かって上昇した瞬間を描いています」(紫舟さん)。ひと筆に込める力と思いの強さが伝わってくる彫刻。
《花鳥風月》(2025年)自然を愛でる心を表す四字熟語を三次元で表した「書の彫刻」。四文字それぞれが意味にふさわしい雰囲気で、軽やかに空中に浮いているよう。
年表
これまでの歩み
2006年
書の文化普及活動「ラブレタープロジェクト」を主宰。現在に至るまでワークショップや書初め大会を恵比寿ガーデンプレイスで毎年開催。
2006年
NHK美術番組『美の壺』の題字を制作。
2010年
NHK大河ドラマ『龍馬伝』の題字を制作。
2010年
伊勢神宮の第62回式年遷宮のための書「祝御遷宮」を揮毫。全国の神社8万社に掲げられる。
2010年
第5回手島右卿賞を受賞。
2012年
防衛大臣 特別感謝状を受け取る。
2013年
大阪芸術大学教授に就任。
2014年
ルーヴル美術館地下会場で開催されるフランス国民美術協会展に出品。「書画」で金賞、「書の彫刻」で最高位金賞(審査員賞金賞)を受賞。
2015年
フランス国民美術協会展にて、世界で1名が選ばれる「主賓招待アーティスト」に選出され、大規模展を開催。横山大観以来の快挙。
2015年
イタリア・ミラノ国際博覧会にて日本館のエントランス空間の展示を手がける。展示デザイン部門で金賞を受賞。
2020年
明治神宮「明治神鎮座百年祭」揮毫。
2023年
イタリア・オルビア考古学博物館で個展を開催。
2023年
奈良県・金峯山寺で「地獄絵梵焼大護摩供」を実施。
2024年
羽田空港第2ターミナル国際線ウェルカムセンターのロビーに6メートル四方の「火の鳥」が掲出。
2025年
中国・上海chi K11美術館で個展を開催。
2026年
奈良県・橿原神宮で「予祝御祭」を実施。
2026年
「ポルトローナ・フラウ大阪」にて個展「紫舟展~異文化との邂逅」を開催。(次回へ続く。)
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