「見返り美人図」で知られる菱川師宣。江戸の元禄文化を代表する画家であり、しばしば「浮世絵の祖」とも称されます。その代表作とともに、元禄文化の世界をたどる展覧会「元禄!師宣劇場 十二ヶ月風俗図巻 大公開」が、東京・丸の内の静嘉堂文庫美術館で開催されています。
江戸の年中行事や人々の営みを描いた大作を中心に、師宣の代名詞ともいえる「見返り美人図」や、英一蝶、尾形光琳ら元禄を代表する絵師たちの名品が並びます。元禄という華々しい時代を、一つの劇場のように体感できる展覧会です。
菱川師宣「見返り美人図」 所蔵:(公財)静嘉堂蔵 ※前期の展示(6/27~7/26)でのみ公開予定
展示のエントランスには「見返り美人図」をモチーフにしたフォトスポットも
江戸のホームドラマのような「十二ヶ月風俗図巻」
本展の目玉である、菱川師宣の「十二ヶ月風俗図巻」には、裕福な武家層が季節行事を楽しむ様子が描かれています。雛祭りや花見、盆踊りで、大人も子どもも表情豊かにはしゃぐ姿からは、約300年前の人々の暮らしが驚くほど身近に感じられます。前期の展示(6/27~7/26)では図巻のうち1月から6月、後期(7/28~8/23)には7月から12月が公開される予定です。
菱川師宣「十二ヶ月風俗図巻」下巻 七月 所蔵:(公財)静嘉堂蔵

長大な図巻に描かれた年中行事を、1月から順を追って鑑賞できる
他にも歌舞伎見物や遊里、上野の花見、隅田川の花火など、江戸の娯楽を描いた作品が展示され、人々の高揚感がそのまま映し出されています。《歌舞伎図屛風》では、芝居小屋へ向かう期待感から観劇を終えるまでの一日が描かれ、まさに"劇場"という展覧会タイトルにふさわしい世界が展開しています。師宣が創り上げた世界は、その後の浮世絵諸派へと受け継がれ、江戸美術のスタンダードとなっていきました。

重要文化財 菱川師宣 「歌舞伎図屛風」 所蔵:東京国立博物館蔵 Image: TNM Image Archives

巨大な屏風に描かれた江戸の人々の様子を、間近に鑑賞できる
描かれた庶民の暮らしから、江戸時代の空気感が味わえます
祭りを楽しみ、子どもと遊び、芝居を見て笑う。屏風や図巻に描かれた日常が、元禄という時代の豊かさを物語っています。人物一人ひとりの仕草や視線を追いながら鑑賞していると、まるで江戸の町へ迷い込んだような気分になるはずです。「元禄!師宣劇場」は、浮世絵の名品を鑑賞するだけでなく、人々の暮らしや文化を、まるで芝居を観るような感覚で味わえる展覧会です。
元禄!師宣劇場 十二ヶ月風俗図巻 大公開

会期:2026年6月27日(土)~8月23日(日) ※前期6/27~7/26 後期7/28~8/23
会場:静嘉堂文庫美術館(東京都千代田区丸の内2-1-1 明治生命館1階)
開館時間:午前10時~午後5時(7月3日(金)、10日(金)、22日(水)は午後8時まで、8月21日(金)、22日(土)は午後7時まで開館)
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