江戸の人々や歌舞伎芝居を描いた浮世絵に夢中の長三郎さん
長三郎さんが一番好き!と話してくれたのは展覧会のキービジュアルにもなっている橋本貞秀の「東都両国ばし夏景色」です。両国橋を中心に隅田川、遠くは筑波山までが描かれた絵の中には、川開きの花火見物に訪れた人、人、人……。
東都両国ばし夏景色 橋本貞秀/画 安政6年(1859) 東京都江戸東京博物館蔵
「川の鮮やかなグラデーションや細かい筆遣いがとても素敵でした」と長三郎さん。
©️Hoshito Omija/KATEIGAHO
隅田川の川開きは宮藤官九郎さんが手がけた新作歌舞伎『大江戸りびんぐでっど』にも登場します。お二人の叔父様にあたる中村七之助さん演じるお葉の両国橋の上での切ないお芝居を思い出しました。
展示室には撮影スポットも用意されています。

長三郎さんは芝居小屋の楽屋風景を描いた作品にも興味津々。
歌川国貞の「役者化粧姿絵」では四代目中村芝翫が鏡に向かって鬘をつけるさまが描かれています。
役者化粧姿絵 中村芝翫 歌川国貞(三代豊国)/画 文久元年(1861)東京都江戸東京博物館蔵
人気役者の普段は見ることのできない舞台裏での拵え風景は、現代の私たちもぜひ見たいと思っているもの。当時の歌舞伎ファンの心を掴んだことでしょう。
「歌舞伎役者の絵といえば、舞台上の絵や歌舞伎の賑わいの絵だけだと思っていたのですが、役者が化粧しているこの絵を見て、町人の心を掴むために江戸時代の歌舞伎や浮世絵も努力をしていたんだなというのが伝わってきました」。

学芸員の方の解説を聞きながら展示作品を鑑賞した勘太郎さんと長三郎さん。
長三郎さんは学芸員さんに「例えば葛飾北斎とか作者の名前が書いていない時はどうやって誰の作品かを解明するのですか?」と、鋭い質問も。
作者が判明している絵の線の特徴などから弟子や同じ工房の作品ではないかと推測する、という回答を得て納得の長三郎さんでした。