約4年の改修期間を経てリニューアルオープンした東京・両国の東京都江戸東京博物館。2026年4月25日からスタートした特別展「大江戸礼賛」では、約35万点の収蔵作品の中から厳選されたおよそ160件の資料を通して「江戸」の魅力を多角的に伝えています。
開幕に先立って特別展を体験した歌舞伎俳優の中村勘太郎さん&中村長三郎さんご兄弟に、見どころや江戸への思いを伺いました。
歴史好きの勘太郎さんならではの視点から展覧会を鑑賞
江戸東京博物館には以前もご家族で訪れたことがあるという勘太郎さんと長三郎さん。この春から勘太郎さんは高校生、長三郎さんは中学生になりました。
今回の特別展「大江戸礼賛」で勘太郎さんが特に興味を持ったのは歌川国芳の「讃岐院眷属をして為朝をすくふ図」でした。
讃岐院眷属をして為朝をすくふ図 歌川国芳/画 住吉屋政五郎/版 嘉永4年(1851)東京都江戸東京博物館蔵
曲亭馬琴が物語を書き、葛飾北斎が挿絵をつけた「椿説弓張月」の一場面を国芳がダイナミックに描いています。
「昔から国芳が大好きなのですが、この絵は鰐鮫(わにざめ)と人物の構図がかっこよくて、見ることができて嬉しかったです」
©️Hoshito Omija/KATEIGAHO
火事の多かった江戸において、火消は庶民の憧れの存在。歌舞伎の芝居にもしばしば登場します。2012年に平成中村座で上演された『め組の喧嘩』の千穐楽で、まだ小さかった勘太郎さんが祖父の故・中村勘三郎さんに抱かれて舞台に登場したことを覚えているファンの方も多いはず。
大江戸礼賛 展示風景 ©️Hoshito Omija/KATEIGAHO
会場に展示されていた町火消の半纏。龍虎があしらわれた面は、実は裏側。表はすっきりとシンプルです。
「リバーシブルですよね。消火を終えた町火消は半纏の裏を表に返して帰っていくというお話を聞き、江戸っ子の粋を感じました」と、勘太郎さん。
一方の大名火消の装束は贅沢で華やか。鳶口など消火用の道具も展示され、江戸の火事に町人、武士がそれぞれ立ち向かうさまを感じることができます。
大江戸礼賛 展示風景 ©️Hoshito Omija/KATEIGAHO