〔特集〕世界最高峰のピアノコンクール入賞者たちが捧ぐ── ショパン魂の音 ショパンの音楽は、なぜこんなにも人の心に響くのでしょうか。200年近くの間、世界を魅了し続けてきた彼の音楽に敬意を払い、新進気鋭のピアニストたちが挑んだ第19回ショパン国際ピアノ・コンクール。
あの熱狂から3か月。優勝者のエリック・ルーさんをはじめ、コンクール入賞者たちが揃って来日し、日本の聴衆のためのガラ・コンサートが開かれました。間近で触れた新星たちの煌めきを、お届けします。
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連日コンクールを沸かせた
注目の入賞者にインタビュー
[第4位 日本]
聴衆を惹きつけた日本人最高位
桑原志織

桑原志織(くわはら・しおり)1995年生まれ。東京藝術大学を首席で卒業。伊藤 恵氏に師事。ベルリン芸術大学大学院にて、修士課程および国家演奏家資格課程を最優秀の成績で修了。2019年ブゾーニ国際ピアノコンクール、2021年ルービンシュタイン国際ピアノコンクールで第2位。2025年にはエリザベート王妃国際コンクールでファイナリスト入賞。
真剣にショパンと向き合えたかけがえのない時間でした
「ショパンはピアニストにとって、唯一無二の存在。コンクールへの挑戦を機に、あらためて本気で真剣に向き合えた時間は、今後のピアニスト人生に、かけがえのないものを与えてくれたと思います」
ショパンらしさとはどうあるべきか。自分自身はどう弾きたいのか。正解のない世界に悩み、もがく時間も長かったといいます。
「ステージの上では気持ちを切り替え、私らしくショパンに向き合おうと。演奏しながら、会場のお客様や歴史的な会場からもギフトをいただいたようで、喜びでいっぱいになりました」
コンクールの舞台で喜びをかみしめられることこそ、桑原さんのお人柄、音楽への深い愛の証です。
「客席とのエネルギーの交換があればあるほど、よい演奏になりますし、ステージ上でインスピレーションをいただくことも多いです。今回のガラ・コンサートは、ストレスフリーで日本の皆様の前で演奏でき、ワルシャワ・フィルともまた共演できて、とても幸せです」
華やかな花柄のドレスも印象的だった、ファイナルのステージ。最終奏者として登場し、聴衆からひときわ熱い拍手が送られた。(© W. Grzędziński/NIFC)
ショパンのコンチェルトを演奏するのは、実はコンクールのファイナルが初めてだったそう。
「当日の朝、一度きりのリハーサルに不安を抱えて臨みましたが、オーケストラと自然にアンサンブルが繫がっていき、これなら楽しめるかも、と思えたんです。最終奏者でしたので会場のボルテージも高まっていて、大変楽しく演奏できました」
彼女の放つ柔らかで真摯なオーラが、これからも聴衆を惹きつけるでしょう。
入賞者の発表後に 、現地メディアの取材を受ける様子。注目度が高く、常に多くのメディアに囲まれていた。(© K. Szlęzak/NIFC)
待望の凱旋ツアーを開催
「桑原志織 ピアノ・リサイタル」
2026年5月7日(木)~12月10日(木)
大阪、名古屋、仙台、山形、福岡、東京、札幌にて公演。
※予定枚数終了の場合あり。
(次回に続く。
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