〔特集〕世界最高峰のピアノコンクール入賞者たちが捧ぐ── ショパン魂の音 ショパンの音楽は、なぜこんなにも人の心に響くのでしょうか。200年近くの間、世界を魅了し続けてきた彼の音楽に敬意を払い、新進気鋭のピアニストたちが挑んだ第19回ショパン国際ピアノ・コンクール。
あの熱狂から3か月。優勝者のエリック・ルーさんをはじめ、コンクール入賞者たちが揃って来日し、日本の聴衆のためのガラ・コンサートが開かれました。間近で触れた新星たちの煌めきを、お届けします。
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連日コンクールを沸かせた
注目の入賞者にインタビュー
[第2位 カナダ]
21歳の若き俊英
ケヴィン・チェン

ケヴィン・チェン2005年生まれ。2022年ジュネーヴ国際音楽コンクール優勝、2023年ルービンシュタイン国際ピアノコンクール優勝。これまでにカーネギーホール、ロンドンのセント・ジョンズ・スミス・スクエアなどで演奏し、ラ・ロック・ダンテロン、「ショパンと彼のヨーロッパ」、オックスフォード・ピアノ・フェスティヴァルなどの音楽祭にも出演。
ショパンコンクールは、私の人生を大きく変えました
「よろしくお願いします」
と、なめらかな日本語で挨拶をしてくれたチェンさん。数々の国際コンクールで優勝し、21歳の若さで、すでに世界的に注目されるピアニストです。ショパンコンクール以前に、日本でもリサイタルを開いていました。
「日本語はとても興味深くて、勉強したわけではないのですが、耳で覚えました」と、はにかむような笑顔で、静かに語ります。
「この数か月で人生が大きく変わりました。それに、コンクール直後からこんなにたくさんのコンサートで演奏できるとは、想像もしていませんでした。ポーランドでも何度も演奏しましたし、日本やほかの国々でも演奏会が開かれるのは、とてもうれしいことです。ショパンをより近くに感じています」
コンクールに向けていろいろな曲を準備するなかで、ショパンへの理解はより深まっていったといいます。
「ショパンの故郷であるワルシャワに滞在したことで、彼の人生を感じることができました。ショパンのコンチェルトを数えきれないほど演奏してきたワルシャワ・フィルと共演できたことも、素晴らしい体験でした」
鮮やかなテクニックで、コンクール序盤から注目度の高いコンテスタントの一人だったチェンさん。コンクール時は20歳。ファイナルでの熱演も世界から絶賛された。
今回のガラ・コンサートでも、ファイナルで弾いたピアノ協奏曲第1番や、ポロネーズ第6番「英雄」などを、日本の聴衆の前で華やかに披露しました。「コンクール期間中は、自分に集中するため、誰とも話さなかったのですが、このツアーは、修学旅行みたいに楽しんでいます」
本番前はいつも手が冷たくなってしまうというチェンさん。使い切りカイロで両手を温める。
(次回に続く。
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