〔特集〕世界最高峰のピアノコンクール入賞者たちが捧ぐ── ショパン魂の音 ショパンの音楽は、なぜこんなにも人の心に響くのでしょうか。200年近くの間、世界を魅了し続けてきた彼の音楽に敬意を払い、新進気鋭のピアニストたちが挑んだ第19回ショパン国際ピアノ・コンクール。
あの熱狂から3か月。優勝者のエリック・ルーさんをはじめ、コンクール入賞者たちが揃って来日し、日本の聴衆のためのガラ・コンサートが開かれました。間近で触れた新星たちの煌めきを、お届けします。
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ショパンにすべてを捧げる半年間
「ショパン国際ピアノ・コンクール」が世界でも特別な8つの理由
[1]会場は「ワルシャワ・フィル」。期間中は街がショパン一色に
空港に降り立った瞬間から街の至るところでショパンの旋律が流れ、ショパン一色に染まるワルシャワ。会場の正面には参加者の国旗が並び、コンクールの開幕を告げています。
[2]演奏するピアノは5つのメーカーから選定
© W. Grzędziński/NIFC
開幕前には、出場者によるピアノのセレクションが行われます。選定時間はわずか15分、原則として変更は認められません。今回の優勝者エリック・ルーさんはファツィオリ、2位のケヴィン・チェンさんと4位の桑原志織さんはスタインウェイ、5位のヴィンセント・オンさんはシゲルカワイを選び、本番でその個性を響かせました。
[3]演奏の順番はアルファベット順
© W. Grzędziński/NIFC
演奏順は、開幕前の公開抽選で選ばれた「姓の頭文字」を起点に、アルファベット順で進められます。第19回大会では「T」に決定。さらに、各ラウンドごとに開始位置のアルファベットを後ろへずらしていく新方式がとられました。
[4]ファイナルはオーケストラと共演
© W. Grzędziński/NIFC
第19回大会への応募者は、史上最多の642名。第1次予選には84名が出場し、コンクールは遂に、抽選で決定した「T」のタオ・ズイエさんから始まりました。第2次、第3次予選と難関を乗り越え、ファイナルに進出したのはわずか11名。ファイナルではソロで「幻想ポロネーズ」、最後はオーケストラとピアノ協奏曲を共演し、その煌めく才能を披露しました。写真はエリック・ルーさん。
[5]上から横から、手もとまで──。世界同時、リアルタイム配信
© W. Grzędziński/NIFC
演奏の様子はすべてライブ配信されました。配信が始まったのは2005年。コロナ禍で1年延期された2021年には、第2位となった反田恭平さんが出場し、ステイホーム中の極上のイベントとしても盛り上がりました。「あらゆる角度から映されるため、落ち着いて演奏できるよう首もとが詰まった衣装を選びました」と桑原志織さん(写真)。
[6]運命の結果発表はなんと真夜中すぎ
© K. Szlęzak/NIFC
© K. Szlęzak/NIFC
世界中が熱狂したコンクールの最終結果発表は、ファイナル終了から数時間後の午前2時半、会場のロビーで開催。深夜にもかかわらず溢れるほどのメディアが集まり、その緊張の瞬間もライブ配信されました。写真上・会場の階段を降りるファイナリストたち。結果発表での恒例のシーン。下・審査員を前に結果を待つファイナリストたち。
[7]国や文化を超え、交流が深まる
© W. Grzędziński/NIFC
ライバル同士となるコンテスタントたち。誰とも話さず集中する人、会話を交わしリラックスする人などその過ごし方は三者三様。競い合う中で、互いの芸術性を讃え合い、ピアニスト同士だからこそ分かち合える特別な絆が築かれていくそうです。写真は右から、談笑する桑原志織さん、ヴィンセント・オンさん、ワン・ズートンさん。
[8]授賞式には大統領も臨席
© K. Szlęzak/NIFC
結果発表の当日夜、授賞式と入賞者による演奏会が国立オペラ劇場で開催されました。ピアノは優勝者のエリック・ルーさんが使用したファツィオリ。入賞者披露演奏会は、2日目以降、会場を「ワルシャワ・フィル」に戻し、計3日間行われました。写真は、ルーさん(右)と金メダルを授与する、ポーランドのカロル・ナヴロツキ大統領(左)。
(次回に続く。
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