〔特集〕没後100年特別取材 クロード・モネ 睡蓮に至る道 クロード・モネが、ジヴェルニーの自宅で86年間の生涯を閉じてから、今年で100年。この記念すべき年は、現在開催中の東京・アーティゾン美術館での大規模な展覧会で幕を開けました。パリのオルセー美術館から来日した貴重な作品群とともに印象派以前の青年期から晩年の睡蓮に至るまでの、20世紀を代表する画家の生涯を辿ります。
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新たな試み ── 光と大気の移ろいをとらえる “連作”
オルセー美術館の印象派の展示室に並んだ《ルーアン大聖堂》の連作。モネは1892年2月から3月にかけてルーアンに滞在し、連作に着手。その後アトリエで仕上げをして、30点余りを制作した。右から3番目と4番目の作品は、現在アーティゾン美術館にて展示中。
右から、
クロード・モネ《ルーアン大聖堂 扉口 正面》1893年、油彩・カンヴァス、オルセー美術館蔵
クロード・モネ《ルーアン大聖堂 扉口 曇り》1893年、油彩・カンヴァス、オルセー美術館蔵
クロード・モネ《ルーアン大聖堂 扉口 朝の太陽》1893年、油彩・カンヴァス、オルセー美術館蔵
クロード・モネ《ルーアン大聖堂 扉口とサン= ロマン塔 陽光》1893年、油彩・カンヴァス、オルセー美術館蔵
クロード・モネ《ルーアン大聖堂 サン= ロマン塔 朝日の効果》1893年、油彩・カンヴァス、オルセー美術館蔵
「すべては変化する。石でさえも」 ── クロード・モネ
上記のモネの有名な箴言(しんげん)は、この《ルーアン大聖堂》の連作を描くためルーアンに滞在していた時期に、妻のアリスに送った手紙に書かれていました。
時間とともに変化する光と大気が対象物を包み込む様子を彼は “アンヴェロップ” と呼び、時には何枚ものカンヴァスを光に応じて入れ替えたり、何台ものイーゼルを立て、その間を行き来したりしながら同時進行で複数の絵を描くこともあったといいます。
「いかに光が素早く走り去り、色も持っていってしまうことか。色は、どんな色でも1秒、長くても3~4分しか続かない」と嘆きながらも、その瞬間をとらえることに挑戦していたのです。それが、異なる天候や時間帯に描いた同一の主題の作品を複数枚並べるという、現在も用いられる “連作” の手法の成立に繫がったといえるでしょう。
(次回に続く。
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