4月18日(土)まで、東京・銀座のシャネル・ネクサス・ホールにて、アメリカ人写真家、ロー・エスリッジの展覧会が開催中です。
本展で公開されるのは、シャネルの創業者ガブリエル・シャネルが暮らしたパリ・カンボン通りのアパルトマンに長年大切に保管されてきた愛蔵品。
そしてメゾンのアーカイブ施設「パトリモアンヌ」に所蔵される貴重なオブジェを用いたフォトコラージュ作品です。いずれも、今回が初の一般公開となります。
非公開の空間で出会った、シャネルの遺産

ジャック・リプシッツ作「ココ シャネルの石膏像」 © CHANEL/Roe Ethridge
展示されている写真は、2025年6月に創刊されたシャネルの『アーツ&カルチャーマガジン』のために撮影されたもの。
通常は公開されていないガブリエル・シャネルのアパルトマンを特別に訪れ、そこに遺された愛蔵品や歴史的遺品を、写真家のロー・エスリッジ氏が撮影しました。
彫刻家ジャック・リプシッツによるシャネルの胸像や、詩人ジャン・コクトーからの手紙、さらには2世紀のエジプトの葬儀用マスクなど、時代も地域も異なる貴重品の数々を鑑賞できます。
また単なる記録写真ではなく、現代的な小道具と組み合わせたコラージュとして再構築されており、同ブランドの歴史に新たな光を当たる展示となっています。
ジャン コクトーからガブリエル シャネルへの手紙 © CHANEL/Roe Ethridge © Adagp/Comité Cocteau, Paris, 2025

2世紀頃のエジプトの葬儀用マスク © CHANEL/Roe Ethridge
アートと商業写真の境界を越えて
世界的写真家 ロー・エスリッジ氏 © Roe Ethridge
エスリッジ氏は、商業写真とファインアートの垣根を横断する作風で知られる、世界的な写真家です。作品はロンドンのテート・モダンなどに収蔵される一方、『Vogue』『GQ』『The New Yorker』といった国際的な雑誌にも掲載されています。
本展のレセプションでエスリッジ氏は、シャネルのビジュアルイメージを“アートのようなもの”として感じ取った幼少期の記憶が、商業写真と芸術を横断する現在の制作姿勢の原点になっていると語りました。
「普遍的でありながら個人的。世界とつながる感覚を持ったビジュアルをつくりたい」という言葉通り、シャネルの個人的な愛蔵品が現代に通じるイメージに再解釈されています。
シャネル・ネクサス・ホールにおける展示の様子 © CHANEL
シャネルの文化的コミットメントの現在地
シャネルは創業時より、数々の同時代の芸術家たちを支援してきました。
「CHANEL Culture Fund」はその精神を受け継ぎ、日本でのシャネル・ネクサス・ホールでの活動をはじめ、世界各地の文化機関と協力して、アーティストの創造的な挑戦を後押ししています。
ガブリエル・シャネルが前衛芸術家たちと築いた友情と情熱は、今なお多様なプロジェクトへと継承されており、本展も、その伝統の延長線上にある試みといえるでしょう。
シャネルの愛想品が、世界的写真家のレンズを通じて新しい物語を紡ぎだす――。銀座に訪れた際には、ぜひその目で確かめてみてはいかがでしょうか。
愛蔵品からは、シャネルのインスピレーションの源が感じられるはず © CHANEL
カンボン通り31番地のフーガ
会期:2026年2月25日(水)〜4月18日(土)
会場:シャネル・ネクサス・ホール(東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F)
開館時間:11時〜19時
URL:
https://nexushall.chanel.com/