〔特集〕影絵作家・藤城清治 101歳 “生きる喜び”を届け続けて 戦前から絵を描き、戦後、絵の具のないなか“光さえあればできる”と影絵を始めた藤城清治さん。101歳の今なお日々創作に勤しむ藤城さんの原動力は、“生きる喜び”を表現すること。厳しい現実にも真摯に向き合い、平和を願いながら、夢と希望を描き続ける藤城ワールドへ、ようこそ。
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藤城さんの思いが込められた夢の空間
藤城清治美術館(栃木県那須郡)
《魔法の森に燃える再生の炎》(2013年)
この美術館のために制作し、当時の藤城さんが“気力、体力、技術のすべてをつぎこんだ”という幅約6メートルの大作。鏡と水盤に映る鏡像とともに楽しめる。その手前に、鉛筆描きの実物大の下絵も展示されている。
その一部を拡大したもの。
自身の美術館を開くという藤城さんの若い頃からの夢は、2013年、那須高原の森の中で実現しました。コンセプトは、“劇場型美術館”。迷路のような展示室に約140点の影絵作品が浮かび上がるように展示されているだけでなく、影絵劇の舞台裏まで見られる回転舞台やアトリエの再現など、見どころがたっぷり。さらに、作品を鏡と水盤で囲み、その鏡像まで含めて楽しめる展示方法や、床や壁に投影されるプロジェクションマッピングなど、誰もが童心に返ってワクワクしながら鑑賞できる仕掛けがなされています。それはまるで、“いたずら”な藤城さんと一緒に遊んでいるかのような鑑賞体験です。
現在、この美術館から少し離れた場所に、第2美術館の開設準備が進んでいます。藤城さんの夢の空間は、未来に向けてさらに花開き、私たちを楽しませてくれます。
立派な長屋門をくぐってしばらく歩くと、美術館の赤白のドアが見える。藤城さんと同い年以上の年齢の方は入場無料という、お茶目なシステムも。猫のアビーやケロヨンのオブジェが設置された庭の散策も楽しめる。貸切利用時以外は、教会内も見学可能。
敷地内には教会も建てられ、藤城さんデザインの12作のステンドグラスで彩られている。上は教会内部右側の人魚モチーフ。
薔薇窓の藤城さんバージョン。ここでは結婚式を挙げることもできる。
童心に返る楽しさ!劇場型ミュージアム
迷路のような展示室。ふと見上げると、藤城さんのアトリエでこびとが遊ぶ様子が映し出されていたり、足もとに水たまりが出現したりと、楽しい仕掛けがいっぱい。
《画本 風の又三郎》(2013年) 教室に見たこともない子、外から見ているこどもたち
藤城さんが最初に読んだ宮沢賢治の童話《風の又三郎》は、コーナーを設けて全作品を展示。がっぷり取り組みたいと挑戦した意欲作。
モチーフが自動で回転する影絵劇の上映も。舞台裏から仕掛けを鑑賞できる。
「木馬座」時代の展示コーナーでは、車好きのケロヨンが乗っていた実物の自動車や貴重な資料が。
カフェでは、藤城さんデザインのこびとの椅子に座り、ひと休みできる。
藤城さんに声が届きます
入り口に置かれた可愛らしいポスト。カードに感想を書いて投函すると、藤城さんに届く。
藤城清治美術館栃木県那須郡那須町湯本203
TEL:0287(74)2581
開館時間:9時30分~16時30分(最終入館16時)
休館日:火曜休館(祝日の場合は開館)*冬季メンテナンスのため、2026年2月28日まで閉館
料金:一般2000 円ほか
URL:
https://fujishiro-seiji-museum.jp/開設準備中!藤城清治MUSEUM Part2

藤城さんが100歳を機にスタートした「藤城清治MUSEUM Part2」の構想。現在の美術館に程近い約3万坪の敷地で準備が進められています。さまざまな生き物のオブジェが設置された、美術館であり、公園であり、遊園地でもある、新しい形のミュージアムになる予定です。上は、藤城さんによる門のデザイン。完成が楽しみです。
(次回に続く。
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