〔特集〕影絵作家・藤城清治 101歳 “生きる喜び”を届け続けて 戦前から絵を描き、戦後、絵の具のないなか“光さえあればできる”と影絵を始めた藤城清治さん。101歳の今なお日々創作に勤しむ藤城さんの原動力は、“生きる喜び”を表現すること。厳しい現実にも真摯に向き合い、平和を願いながら、夢と希望を描き続ける藤城ワールドへ、ようこそ。
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[第3章]未来へ──
次世代に伝えたい、 日本の風物詩
藤城さんは、2017年の1月号から1年間、家庭画報本誌の巻頭口絵に「光だより、影ごよみ」を連載。自然や花を中心に描き、子どもの頃の思い出を交えた文章を添えて、月ごとの季節感を届けてくださいました。
メルヘンの世界や自らの心象風景を描くことの多かった藤城さんの興味は、次第に自然や地球の素晴らしさに向かいました。時を超えて各地に残るお寺やお城、そして自然を描こうと国内外のさまざまな場所に出かけ、その風物をデッサンしたり、影絵にしたりしてきたのです。特に大好きだったのが、秋田市の「秋田竿燈まつり」。米俵を表すいくつもの提灯を下げ、稲穂に見立てた長い竹竿を、力自慢たちが持ち上げて練り歩きます。
こうした美しい四季や風習が、藤城さんが描く作品によって、次世代、またその先へと受け継がれていきます。
《風花 時折(かざはな ときおり)》(2016年)
子どもの頃、空から降ってくる雪を夢中で描いたという藤城さん。独楽(こま)で遊んだり、獅子舞が部屋まで上がってきて頭をかまれたりしたお正月の思い出を表現した作品。家庭画報本誌2017年1月号に掲載。
《竿燈まつり》(2008年)
毎年8月3日〜6日に、秋田市で行われる「秋田竿燈まつり」が大好きで、何度も通った。厄除けや五穀豊穣を祈り、会場の大通りを埋め尽くす約280本もの竿燈は、まるで黄金の稲穂のよう。
《鯉空 皐月(こいそら さつき)》(2017年)
澄みきった青空に泳ぐ鯉のぼりは、制作当時の藤城さんの年齢に合わせて、何と93匹。鱗の一枚一枚に、夢と愛と希望を込めて切り抜いたという。家庭画報本誌2017年5月号に掲載。
(次回に続く。
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