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影絵作家・藤城清治さん×MISIAさん スペシャル対談【後編】作品への想いと平和への祈り

2026.02.27

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〔特集〕影絵作家・藤城清治 101歳 “生きる喜び”を届け続けて 戦前から絵を描き、戦後、絵の具のないなか“光さえあればできる”と影絵を始めた藤城清治さん。101歳の今なお日々創作に勤しむ藤城さんの原動力は、“生きる喜び”を表現すること。厳しい現実にも真摯に向き合い、平和を願いながら、夢と希望を描き続ける藤城ワールドへ、ようこそ。

特集「影絵作家・藤城清治 101歳」の記事一覧はこちら>>>

藤城清治さん+MISIAさん スペシャル対談(後編)
先生には200歳まで“光”を届けてほしいと思います── MISIAさん ──

昔の作品を前に話が弾むお二人。手前はアトリエで暮らすフクロウ「クック」の若き日の絵。藤城さん着用のベストはファンのお手製。

被災地の作品を見たとき、絶望の中の祈り、命の強い輝きを感じて涙が出ました
──MISIAさん

MISIA 先生が広島や長崎の被災地を描いた作品を見ていると、絶望の中に光があると感じます。それは戦後80年間、戦火が繰り返されなかったという、ある種の祝福の積み重ねがあるからなんですよね。悲しいことがあったけれど、その後、私たちは武力を行使しないと決めて歩んできた。世界中のすべての戦いがなくなったとき、先生の作品はさらに輝きを増すと思いますし、その輝きを後世に残せるように歩んでいかなければと思います。80年間守ってきた平和をこの先も守るのは決して簡単なことではないと思うんですが、先生が被災地の作品を残してくださっているのは、私たちにとって大きな宝物だと思います。


兵士だけでなく、女性も子どもも犠牲になるのが戦争。幼い頃、祖父から「戦争で亡くなったり、孤児になった子どもがたくさんいた」と聞いて、びっくりしたんです。私はその頃から歌手になりたいと思っていましたから、その夢にトライすることなく命を失うのは嫌だと思って。初めて自分のこととして戦争と平和を考えるようになりました。

どうしたら、武力ではなく、話し合いでいろいろな国と理解を深めることができるのかというのは非常に難しい課題ですけれど、すべての世代の一人一人が「ちゃんと考えなくちゃ」と思うことが、まず大事なんじゃないかなと感じています。

《長崎山王神社の一本足の鳥居と生き続ける大クス》(2009年)
MISIAさんの故郷、長崎の神社。原爆の爆風を受けながらも、奇跡的に新しい芽を吹き出した大クスの生命力が見事に表現されている。同じく爆風で損傷した鳥居も神々しい。

藤城 みんなが、世界が一つになって考えていけるように、生き物の中で一番脳が発達してる人間がしっかりしないとね。ほかの動物たちも喜べるように。

MISIA 先生は、これからの創作活動について、どのようにお考えですか。

藤城 筆が止まっちゃうときもあるかもしれないけど、「頑張って絵を描かなくちゃ」というより、描くことに喜びを感じるし、それでなんか元気になるんだよね。

自分がもちろん熱中するんだけど、見た人が喜ぶ、外国の人も喜ぶ、みんなの心がわーっと沸き立つ。そういうふうに喜びが広がっていく、繫がっていくことが大事で、それが人間の生き方であり、出会いだと思うんですね。自分の中から自然に出てくるものを描いていてもいいのだけど、それが、みんなとの出会いとか、みんなの心を動かすことに繫がらなきゃね。自分だけの喜びで描いていてもしょうがないと思って。僕は人との出会い、動物との出会い、花や木や星空との出会い、そういうものの中に自分は生きているんだと感じながら描き続けるんじゃないかな。そんなことを猫と話したりしています。言葉は通じないんだけど(笑)。

MISIA いや、通じていると思います。先生の猫ちゃん、さっき挨拶に来てくれましたから(笑)。私は人生の後輩として、歌を通して生きる喜びを伝えていけるように頑張っていきます。先生はこれからも絵を通して、大きな愛や喜びを伝え続けてくださると思うので、私たちはそれを見落とすことなく、受け取っていきたいですね。先生には200歳まで“光”を届けてほしいと思います。

藤城 絵を描くのと呼吸するのは同じ。だから、呼吸できている間は手も動いちゃって、描き続けるんじゃないかな。

《MISIAの幻想》(2000年)
大樹の下、こびとたちの演奏に合わせて、生きる喜びを歌うMISIAさん。月光に照らされた歌姫は白いターバンとドレスをまとい、両手でハートを形作っている。

藤城清治(ふじしろ・せいじ)
影絵作家。1924年東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。慶應大学予科(高校)で猪熊弦一郎氏、脇田 和氏に師事。1948年から『暮しの手帖』に影絵を連載し、1952年に人形と影絵の劇団「木馬座」を結成。「ケロヨン」が爆発的人気に。世界各国で影絵展、影絵劇の上演を行う。現在も意欲的に創作活動を続ける。

MISIA(ミーシャ)
1998年デビュー。「Everything」「アイノカタチ」など数多くのヒット曲を持つ国⺠的歌⼿。大阪・関西万博では「公式式典・公式催事」のプログラムの一環でスペシャルライヴを開催。社会貢献活動にも積極的で、国内の⼦どもたちのサポートなどに長年従事している。2026年1月より全国各地で『MISIA 星空のライヴⅩⅢ』を開催中。

この特集の記事一覧はこちらから>>

この記事の掲載号

『家庭画報』2026年03月号

家庭画報 2026年03月号

撮影/赤尾昌則 文/清水千佳子 協力/藤城清治事務所

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